広汎性発達障害の適職のための準備

広汎性発達障害の特性を知って、就職活動をするのは賢い方法だと思います。

就職や福祉サービス事業所の状況は、どこも余裕があるわけではありません。

お子さんの将来を決める場合、ご自分で就職活動をする場合も、どんな適職があるのか、どのように準備を進めていくのか、じっくり取り組んだ方がいいと思います。

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広汎性発達障害の人の適職さがし

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広汎性発達障害といっても、知的障害のある人、知的障害のない人では当然能力の差や個人差があります。

広汎性発達障害の人が学校を卒業後、どのような進路に進むかはだいたい次のとおりです。

・一般雇用での就職

・障害者枠を利用しての就職

・アルバイト、パート

・在宅ワーク

・起業する

・福祉サービス事業所の利用

a)就労移行支援-2年間の作業訓練を行い、その間に就労を目指すための支援を行う事業所

b)就労継続支援-A型(利用者と雇用契約を結び、継続して働くことができる事業所)、B型(就労が難しいとされる方が、継続して働くことができる場を提供する事業所)

c)生活介護事業所-日常生活動作の支援を行い、より自立的な生活に向けた取り組みを行う、軽作業、創作活動、リサイクル活動などの機会を提供

適職を見つけるために知っておきたい広汎性発達障害の特性

広汎性発達障害の人が適職につくために、ご自分の特性を知っておくことは必要だと思います。

特に軽度の広汎性発達障害の子ども(人)は、障害があることに気づかないまま大人になってしまう人もいます。

障害に気づかないままアルバイトや就職をして、職場で適応障害を起こし、結局仕事を辞めてしまう、ストレスから二次障害を起こしてしまう、適職を見つけられずに家にいる、という場合もあるからです。

広汎性発達障害は先天性の脳の機能障害で、ウィングが提唱する3つの特性をもっています。

1.社会性の特徴

2.コミュニケーションの特徴

3.想像力の特徴

社会性の特徴は、人への関わり方が一方的である、相手の立場を考えて行動することが苦手、場の空気を読めない、常識的な行動ができない、共感性の乏しさ等があります。

コミュニケーションの特徴は、相手の言葉を汲み取れない、3人以上の会話についていけない、会話のキャッチボールができない、曖昧な表現や、暗黙の了解はよくわからない、独り言、一方的に会話を進める、話たいことがうまく伝わらない等。

想像力の特徴は、見通しのつかないことへの不安、苛立ちを覚える、柔軟性の乏しい思考、行動パターンになる、一度に複数のことを処理できない等。

それ以外に知的障害、知覚過敏性、多動、不注意、協調運動障害等を併せ持つ場合があり、3つの特徴の現れ方は年齢や経験、好みや性格などにより千差万別です。

こつこつした作業が得意、記憶力が良い、発想が豊かである、専門分野にはとても詳しい、視覚的な情報処理が得意など、定型発達の人にはない一面を持っているので、得意な分野、不得意なことを知っておくと将来の適職探しに役に立ちます。

広汎性発達障害の人に適職といわれる仕事とは

一般的に広汎性発達障害の人に向いているといわれる仕事です。

  • プログラマー
  • ソフトウェア開発
  • 清掃業
  • 写真家
  • 芸術家
  • 図書館司書
  • 機械工や電気技師
  • コック、シェフ
  • 研究者、科学者
  • 飼育者
  • 通訳者、翻訳者
  • 塾の講師
  • デザイナー
  • 書類管理
  • 会計士

これらの仕事の共通点は自分のペースで進めていけること、専門職であること、対人スキルがあまり必要とされないことです。

一方、対人スキルが要求される、臨機応変な対応が求められる仕事は向いていないといわれます。

  • 接客業
  • コールセンター
  • セールスマン
  • バスや救急車などの運転手
  • 危険物取扱者
  • パイロット
  • 警察官
  • 消防士

適職に着くことは本人の得意分野を生かせることにもなりますが、受け入れてくれる職場の雰囲気、障害に対する理解があるかどうかも大切な要因です。

広汎性発達障害の人が皆コミュニケーションが苦手ということではないし、手先が器用な人もいれば、静かな環境を好む人もいます。

広汎性発達障害のお子さんやご本人が何ができて、何が苦手で、どんな環境があっているのか、、、様々な角度から検討するとよいと思います。

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広汎性発達障害の人が適職につくための前段階-実習について

特別支援学校の高等部では卒業後の進路にどのように取り組んでいるか、簡単に記しておきます。

①実習期間は年に2回(6月、9月)各2週間の実習期間設定になっていますが、実習日数は個々に異なり、2、3日から3週間という場合もあります。

②家庭での情報収集や見学、その上で学級担任と相談の上、実習希望を確認します。

③進路指導主事により、調整、渉外等を経て、実習先、実習期間の決定、実習書類作成、事前契約、実習の実施になります。

4月に新学期がスタートして、4月末には6月の実習先がほぼ決定している状態です。

5月には前期実習における実習説明会があり、実習参加願い、実習契約書、実習先提出用のプロフィールシート、保険加入の申し込み書の作成、職種によっては検便検査があります。

6月の実習の直前に、学校担任、本人、保護者で実習先を訪問、契約書を交わします。

6月に1週間~2週間の実習

通所方法は自力での通所、保護者の送迎になります。

実習終了後、報告会があります。

校外実習は実習先ありきと言う考え方です。

実習の受け入れに関しては、先方の都合や考え方が優先され、近隣の学校との調整もあるので、早め早めに準備を進めるようです。

支援学校では高等部に入学した直後から卒業後の進路を考えていきます。

最初はもう?と思いましたが、早すぎることはないようです。

高等部1年の時から様々な実習先を体験しておくことで、卒業後の進路の選択肢が増えること、先方様からも覚えてもらえるというメリットがあります。

広汎性発達障害の人の適職選びの可能性

18歳で高校卒業した後の人生はいまや50年以上になっています。

広汎性発達障害の人が豊かな人生を生きていくためには、家族支援を含む地域の生活支援が必要です。

必要な支援は積極的に求めることで、自分でできる仕事や活動の範囲を広げていくことになると思います。

広汎性発達障害の人の半分は知的障害を持つといわれています。

障害の重い子どもの親は、うちの子は働くなど考えてもいないという方もいらっしゃるかもしれませんが、最近の事業所では、昔より多くの人を受け入れる体制が整っている感じを受けます。

先日見学に行った就労移行支援B型の事業所では、今まで1人で行っていた作業の過程を細分化し、障害が重い人でも取り組めるように工夫されていました。

長時間の就労が難しい人には短時間の作業をしてもらう、週に3日間出てきてもらう等、その人にあわせて配慮しているとのことです。

今までは“学校を卒業したら行くところがなかった人たち”を、受け入れてくれる事業所も年々増えています。

一般の事業所でも障害者雇用が年々引き上げられているように、より多くの方に就労のチャンスが与えられていると思うのです。

とはいえ、定型発達の人でさえ簡単ではない就職事情の中で、広汎性発達障害の人が就労するというのは簡単だというのではありません。

だからこそ、事前の情報収集や就労体験が貴重になります。

まとめ

広汎性発達障害の適職というと、軽度のアスペルガー症候群、高機能自閉症の人たち対象の記事が多いので、重度の自閉症、知的障害を持つ人達の卒業後の選択肢についても調べてみました。

広汎性発達障害は重度の知的障害者から、障害があるとは思えない軽度の人まで、障害の程度は人それぞれです。

生活介護に行かれる方、就労移行支援に行かれる方、障害者訓練校で訓練を受ける方、会社で働く方、専門職に就く方、起業する方、様々な方がいらっしゃると思いますが、その人に合った進路を選択されて、学校を卒業した後、充実した生活を送ることがいちばんだと思います。

軽度の広汎性発達障害であるほど、周りから理解してもらえない、障害があることに気づかないということも多いようです。

社会にでてから適応障害を起こして、辛い環境におかれている方も少なくないといいます。

学校では毎月進路指導がありますが、去年と今年の内容は違います。

自分に必要な情報は常に収集できるよう、アンテナを張っておきましょう。

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