広汎性発達障害の訓練による効果とは

自閉症は訓練すればよくなるの?と聞かれることがあります。

広汎性発達障害は病気ではないので薬を飲んだり手術して治るものではなく、訓練で治すものでもないといわれています。

じゃあ、何で訓練するの?、何で早期発見、早期療育が大切なの?と思われるかもしれません。

訓練は早期療育のことですが、広汎性発達障害の人の問題行動の改善に大いに役立つと考えられています。

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広汎性発達障害における訓練とは

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広汎性発達障害とは知的障害のある自閉症、言葉の遅れのない高機能自閉症、アスペルガーを含みます。

広汎性発達障害の人達は、定型発達の人達と違う情報処理の仕方、ものの捉えかた、考え方をするということが明らかになってきています。

大きくは社会性の特徴、コミュニケーションの特徴、イマジネーションの特徴を持っていて、加えて多くの人がこだわりと感覚過敏を持っています。

広汎性発達障害の人は自分の興味のあることに深い関心を示す傾向があり、ひとつのことに集中し細部を見ていますが、全体像を見ることが苦手だといわれています。

アスペルガーの子供が見知らぬ人に失礼なことを言ったり、言葉をそのまま受け止めてしまったり、曖昧な表現を理解できなかったり、自分の関心のあることならずっとしゃべり続けるなど、コミュニケーション能力に問題があることは知られています。

同時に複数のことを行うのが苦手で、計画を立てて、計画を実行するために臨機応変に対応していくことも苦手です。

広汎性発達障害の人はいろいろと社会に適応しにくい特性を持っているのです。

早期発見、早期療育が必要だといわれるのは、周りの人が社会に適応しにくい特性や、問題行動を起こすパターンを把握してあげなければならないからです。

発達障害の子供が抱えている問題がわかるようになると、パニックになる前に困難を軽減するための環境整備、支援ができるようになります。

広汎性発達障害における訓練とは困難を軽減するための療育支援です。

広汎性発達障害の訓練を受ける前に正確な現状を把握すること

発達障害には、自閉症、アスペルガーなどの広汎性発達障害のほかに、ADHD、LDなどがあります。

発達障害という同じ診断名であっても、年齢や障害の程度、環境などの違いにより、現れる症状は一人一人違います。

また、一人が複数の症状を持ち合わせている場合も少なくありません。

重度の障害のある子供は、人と目を合わせない、言葉がなかなか出ない、言葉の意味が理解できない、多動、年齢相応の身辺自立ができない、よく癇癪を起こす、睡眠障害、感覚過敏、自傷行為があるなどの様々な問題を抱えています。

知的障害がなくても、他人とコミュニケーションが取れない、落ち着きがない、特定の学習について行けないという問題を持っていることもあります。

知的障害のある自閉症の場合は3歳くらいまでに診断が出るといわれていますが、言葉の遅れのない広汎性発達障害、ADHD、LDの場合は、本人や周りも気づかないことがあります。

小学校に通うようになってから診断を受けるケースや、大人になるまでわからない人もいますが、本人の中では社会に適応しにくい自覚を持っていることが多いようです。

このように一人一人抱えている問題が違うので、できるだけ早い時期に本人や家族が辛いと思っていること、生活の中で問題行動となっていることを確認し、把握してあげることが大切です。

アセスメントを行い、その子供にあった支援や訓練の方向性を出します。

時には薬を処方して、問題行動を減らしていきます。

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広汎性発達障害における具体的な訓練とは

広汎性発達障害の子供の訓練は、身辺自立やコミュニケーションスキルを高めること、言語療法などが行われます。

情緒の不安定さ、こだわり行動、自傷行為などがひどい場合は、問題行動を和らげるために薬が処方されることもあります。

訓練は広汎性発達障害の人達の持っている特性を否定するのではなく、持っている力を最大限に伸ばしてあげることを目的としています。

早い時期から訓練することで、苦手だったことができるようになり、だんだんとコミュニケーションが取れるようになっていきます。

じゃあ、訓練始めようかといって、すぐお勉強のようなことをするわけではありません。

広汎性発達障害の子供は、すぐ新しい環境に慣れる子供もいますが、恐がりで、新しい環境に慣れるのにとても時間がかかる子供もいます。

中には部屋に入れなくて大泣きしてしまう子や、先生が近づいてくると逃げてしまう子供もいて、その時間は何もしないで終わることもあります。

何回目かで、やっと先生と目を合わせるようになって、緊張が取れてきたら笑顔が見られるようになります。

小さなことができたら「できた~!」とほめてあげたり、スキンシップしていくうちに、子供との信頼関係が築かれていきます。

親にしてみたら忙しい時間を割いて、お金を払って受けているレッスンです。

これでいいのか、何も進んでいないのではないかとジレンマに襲われることもあると思いますが、言語療法はコミュニケーションのリハビリです。

子供が言語聴覚士とコミュニケーションをとりたい!この人と遊ぶのは楽しい!って思ってくれないと、そもそも始められないのだそうです。

信頼関係ができるまで何ヶ月かかることもあります。

すぐ言葉を話すようになるのかというと皆がそうとは限りません。

とても、とても時間がかかることなんですよね。

6ヶ月、1年はゆっくり見守ってあげるくらいの心を親がもたなければいけないと思います。

広汎性発達障害の訓練は親と子供に必要なもの

訓練は子どもだけが受ければいいのではなく、親にも必要です。

ペアレントトレーニングを行っているところもあるので、機会があるなら受けてみましょう。

発達障害の説明を受けても、親だってはじめて聞く言葉だし、難しいし、とにかく療育に通えばよくなるだろうくらいにしか考えていません(自分がそうでした。)

けれども週2回か3回の訓練で子供の状態が劇的に改善するわけではありません。

朝起きてから、夜寝るまでのほとんどの時間を子供と過ごすママの時間の方がはるかに多いのです。

先生に言われたことが生活に結びつかないと、親はどうやって接したらいいのかわからないし、子供はうまく表現ができないので、子供もママも疲れきってしまうのです。

広汎性発達障害の子供に接する時のポイントがいくつかあります。

1.言葉で言うよりも、絵カードや文字を見せる

広汎性発達障害の人は視覚的に物を捉える傾向があります。

2.大きい声や、早口で言っても聞き取りにくいので、ゆっくり話す

聴覚過敏がある子供には、人の声も騒音にしか聞こえません。

3.曖昧な表現はわかりにくいので、具体的に話す

「それとって」ではなく、「机の上にある本をちょうだい」

4.突然の予定変更は苦手だということを理解する

カレンダーにスケジュールを書き込んでおく、やむをえない場合はよく説明してから行動に移す。

5.こだわる部分を認めてあげる

ある人は本棚の本が順番どうりに並んでないと気がすまないなどこだわりを持っています。

6.自傷行為がひどい場合はストレスを受けている場合が多いので、ストレスの原因を取り除く

薬に頼る場合もあります。

7.一度に複数のことができないので、一度にひとつのことをやる

一度に「これとこれをお願いね」と言ってもよくできません。

8.小さなことでもできたらほめる

大切なことですが、日本人はあまりこれができません。

(なぜならわたしが親にしてもらってこなかったから、初めは子供にできなかったんです。)

ほめてあげ、抱きしめてあげましょう。

些細なことに気をつけてあげるだけで、子供への接し方が変ってくると思います。

親の接し方が変ってくると子供もきっと変ります。

まとめ

広汎性発達障害に対する見解は昔とは違い、早期発見、早期療育が叫ばれています。

適切な支援を行うことで、社会に適応できるスキルを身につけることができ、自分の得意分野を仕事に生かすこともできます。

障害児を持つ親と話をすると、ほとんどの方が小さいころは熱心に病院を巡り、あらゆる訓練をしてみたといいます。

でも、だんだん子供が大きくなるにつれて、親も年をとってくるので、その熱心さもなくなってしまうのです。

子供は成長しています。時代も変っていきます。親も新しい情報を積極的に取り入れていくことが必要です。

発達障害を知れば知るほど、彼らのもっている別の面、秘められたすばらしい世界にも触れることができます。

問題行動にどうしても意識が向いてしまいますが、子供のまだ見えない可能性に目を向けていきませんか。

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