言葉の遅れと広汎性発達障害

自分がいつから言葉を話すようになったのか、覚えている人はあまりいないと思いますが、親はちゃんと覚えていますよね。

それくらい、わが子が言葉を話すというのは親にとって嬉しいことなんだと思います。

言葉の遅れが見られてもほとんどの子供は言葉を話すようになりますが、広汎性発達障害や聴覚異常があるかもしれないので注意が必要です。

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広汎性発達障害の子供は言葉の遅れがある?

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子供が初めて意味のある言葉を言ったとき、親はとても感動しませんか?

言葉の早い子は1歳前後から、ママ、ワンワン、ブーブーなど、意味のある単語を言えるようになってきます。

女の子や兄弟の多い子は早くから言葉を覚えるといいますが、男の子や一人っ子、静かな環境の中で育った子は遅い傾向にあるようです。

月齢が近いほかの赤ちゃんと比べて言葉の出始めが遅かったり、声を発しようとしなかったりすると、親としてはとても心配になりますよね。

言葉の遅れが見られても3歳を過ぎてから話すようになる子もいて、一度しゃべりだすと洪水のように言葉が溢れてくるといいます。

個人差があることなのであまり神経質にならないほうがいいとは言いますが、中には病的な原因のために言葉の遅れが見られることもあります。

広汎性発達障害の一つである知的な遅れのある自閉症や、聴力に障害がある場合、脳性麻痺のように脳に障害がある場合も言葉の遅れが見られます。

広汎性発達障害は言葉の遅れだけではない

言葉の遅れがあるからといって広汎性発達障害ということではありません。

知的障害のある自閉症の子に言葉の遅れが見られますが、言葉の遅れ以外に次のような特徴があります。

○人と目を合わせない

○指差しをしない

○クレーン現象が見られる

○人や動物に関心がない

○名前を読んでも振り向かない

○自分の興味のあることにだけ関心を示す

○絵カードの意味がわからない

○相手の言葉を理解していない

○多動

○よく癇癪を起こす

○自傷行為がある

○強いこだわりがある

広汎性発達障害のアスペルガー症候群、高機能自閉症、特定不能の広汎性発達障害の人には、それほど言葉の遅れは見られません。

言葉の遅れに加え、さらに上記のような特徴が見られる時には、広汎性発達障害の疑いがあるかもしれないので専門の医師の診察をうけてください。

広汎性発達障害児に言葉の遅れが見られる理由

私たちは普段何気なく言葉を話していますが、言葉を話すためには言葉を聞き、脳に情報がインプットされ、言葉の意味を理解した後に自分の言いたいことを構成し、音声として出すというプロセスを行っています。

言葉の遅れが見られても多くの子供は言葉を話すようになりますが、いつまでも言葉が出ない場合はいくつかの原因が隠れている場合があるので、検査を受ける必要があるかもしれません。

○設備の整っている大きな病院の耳鼻咽喉科で聴覚検査をする

○小児神経科、小児精神神経科などで発達検査をする

○脳のMRIを撮影する

聴覚に異常がある場合、外からの情報を正しく聞くことができません。

知的障害があると言葉の意味を理解することが困難です。

多動な子供も意識があちこちに向いていて、言葉をゆっくり聞いていないことが多いそうです。

知的障害のある自閉症の子供は多動な子供が多いです。

耳は聞こえているのに言葉を話さないのは、言葉を聞いて理解するプロセスが正しく行われていないようです。

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言葉の遅れが見られる広汎性発達障害児の療育

言葉に対する療育については、言葉の教室などで言語聴覚士による指導が行われます。

話せない子供には発声することから、話せる子供には正しいコミュニケーションの取り方を指導していきます。

言語治療に通ったことのある方はご存知だと思いますが、そこで最初にするのは言語聴覚士と子供との信頼関係を構築することです。

広汎性発達障害を持つ子供の中には、新しい環境や人が苦手で臆病になってしまう場合があり、慣れるまでにとても時間がかかります。

初めての場所が怖くて車から降りなかったり、部屋に入れずに泣き出してしまったり、初日から治療ができないこともあります。

人が話をする時に相手の目を見ることはコミュニケーションの基本であるといわれますが、自閉症の子供は人と目を合わせないことが多いです。

目を合わせることがコミュニケーションの第一歩なので、そこから始める子供もいます。

言語治療士との信頼関係が結べるようになると、次第に緊張が解けて笑顔が見られるようになり、相手の言葉がわかるようになり、物には名前があるということを理解するようになります。

定型発達の子供ならどんどん言葉を吸収することができますが、知的障害のある子供には言葉の意味を理解させるのに、何度も繰り返し教えることが必要になります。

根気よく何度も繰り返すことによって、ようやくできるようになることもあるので忍耐が必要です。

言葉の遅れがある広汎性発達障害の子供への接し方

子供と言語聴覚士との信頼関係ができた時がスタートラインです。

個人差があるのでいつ言葉を話すようになるのかはわかりませんが、ひたすら働きかけることです。

治療が終わると言語聴覚士に家でやることを指示されるので、その指示に従って家でもやろうと思いますが、家では自閉症の子供の多くは親の呼びかけになかなか答えてくれません。

家では気が散ってしまい、絵カードを見せても見てくれない、絵本を読んであげようと思っても関心を示さない、無理に見せようとすると嫌がって向こうに行ってしまうなど、、、

ほんとにやりがいのない!と思うことはないでしょうか?

そういう場合は、まずママやパパとのスキンシップから始めるといいかもしれません。

触られるのが嫌な子供は、目を合わせることからはじめたらいいかもしれませんね。

お菓子一つあげる時にも、子供が見てくれるようにママの顔の前に物を持っていき、目があったら手渡すなど。

目があったら褒めて喜んであげます。

日常生活においても何かができたらほめてあげる習慣をつけ、小さな成功体験を増やしていくことも大切なんだそうです。

まとめ

広汎性発達障害の子供の多くは言葉の遅れが見られます。

息子は知的障害のある自閉症の上に多動で、一人ですぐ外にでて行ってしまう子供でした。

落着きのない子だったのでじっと座っているのが難しく、物の名前を教えようにもなかなかできる状態ではありませんでした。

6歳くらいで少しずつ言葉の意味がわかるようになりましたが、それでも意味のある言葉は出てきませんでした。

小学校の特殊学級にも広汎性発達障害の子供が10人ほどいましたが、言葉を話す子供を羨ましいと思っていたし、この子の口からは一生意味のある言葉は出てこないのかと寂しい思いをしていました。

でも、小学校2年生の時に意味のある単語が出てくるようになり、ぽつぽつ文字を声に出して読めるようにもなりました。

今も会話ができるほど言葉は出ませんが、挨拶や簡単な意思表示ができ、小さいころ聞いた歌を歌っていたり、学校の校歌なども覚えて口ずさんでいます。

何が言いたいのかというと、自閉症でこちらが働きかけても何の反応もない子供でも、ちゃんと聞いていて脳にインプットされています。

やってもやっても無駄なように思えても、少しづつ蓄積されているものがいつか結果になって、必ず現れてくるんです。

広汎性発達障害について知れば知るほど、彼らは一人一人大きな可能性を秘めているんだと思います。

彼らの中に隠されている宝石の原石を探すように、希望を持って子育てをしていきませんか。

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