自閉症児の育て方と広汎性発達障害

広汎性発達障害の一つである自閉症はどんな障害でしょうか。

自閉症児に現れる特性は皆が同じではありません。

育つ環境や、性格、もって生まれたこだわり、感覚の偏りなどは個人差があるので、その子どもに合う育て方や配慮が必要だと思います。

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広汎性発達障害と自閉症に対する治療方法

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自閉症は広汎性発達障害の一つで、今は自閉症スペクトラムとも言われています。

自閉症がはじめて医学に登場したのは、1943年カナーの「情緒的接触の自閉的障害」でした。

自閉症の原因として様々な生物学的要因や環境因の関与が論じられるようになりましたが、1980年頃までは母原病として扱われてきました。

自閉症は治療できるものだとして、ビタミンとミネラルの大量投与、電気や磁気による刺激、グルテンとカゼインの制限、キレート剤の点滴、予防接種を避けるなど様々な治療法が推奨されましたが、これらの効果は実証されていません。

自閉症に対する治療はやがて行動療法のABAやTEACCHが盛んになり、英米圏から世界に広がるようになりました。

広汎性発達障害というのは、知的障害を持つ人から大学進学が可能な人まで広範囲にわたっており、現れてくる特徴も一様ではありません。

強いこだわり、行動障害を持つ人、二次障害が問題となっている人、いつもの環境では問題のない人など、治療のターゲットを絞ることも難しかったようです。

ある治療は一部の人には有効であっても、別の人には有効でないこともあったのです。

支援や治療を行う際、育て方においても、その子がどんな性格で、何を得意とするのか、何が苦手か、どんな問題行動があるか、様々な観点から一人ひとりに注意を払う必要があります。

広汎性発達障害と自閉症の特徴

広汎性発達障害とは、先天性の脳機能障害により現れてくる発達の遅れで、知的障害を伴う場合もあります。

広汎性発達障害は社会性、コミュニケーションの障害、想像力の障害を持ち、人間の基本的な機能の発達遅滞を特徴とする、精神と行動の障害のグループです。

・自閉症

・アスペルガー症候群

・特定不能の広汎性発達障害

・レット症候群

・小児期崩壊性障害

知的障害のある自閉症は3歳くらいまでに診断ができるといわれていますが、知的障害のないアスペルガー症候群、特定不能の広汎性発達障害は小学校入学してから、人によっては気づかないまま大人になる人もいます。

近年、発達障害は早期発見、早期療育が重要だということで、乳幼児健診などでわかるようになってきました。

自閉傾向の強い子どもの特性として、赤ちゃんの時から抱っこを嫌がる、目を合わせない、名前を呼んでも振り向かない、音にとても敏感なことがあります。

物の名前、言葉の意味を理解できる月齢になっても、言葉が出ない、指差しをしない、簡単な指示に反応しない、クレーン現象などが現れます。

歩き始めるようになると多動が目立つようになり、自分の行きたいと思う所に向かおうとし、目を離すとすぐいなくなるということが頻繁に起こります。

興味の対象以外に関心を示さない、親の後追いをしない、同じくらいの子供と遊ばない、簡単な意思表示ができない、同じ行動を繰り返す、物を一列に並べる、無表情等、子どもらしくない行動も現れてきます。

コミュニケーションが苦手で、言葉のキャッチボールができない、オウム返しをする、相手の立場や気持ちを考えずに、自分のことばかり一方的に話す傾向があります。

興味のあることには深い関心を示し、時には大人顔負けの記憶力や才能を見せることがあります。

一度に複数のことをするのは苦手ですが、ひとつのことにこつこつ取り組む一面を持っています。

発達が遅いと感じたり、心配や疑いを持ったら、発達障害支援センターに相談したり、専門医の診断を受けることをおすすめします。

http://www.rehab.go.jp/ddis/

広汎性発達障害と自閉症児の育て方

自閉症の子どもの育て方を考えるとき、忘れてはならない基本原則があります。

それは肯定的な接し方と小さな成功体験を積み上げていくことです。

広汎性発達障害や自閉症の子どもは、小さいころから親や周りに叱られたり、否定されることが多いです。

失敗経験が多い子どもは、何事にも消極的・否定的になりがちです。

本人ができないこと、失敗したことを責めたり、叱ったりすることは、より本人を追いつめる結果をもたらしてしまいます。

親や周囲に相談できず、他の人や社会を批判したり、攻撃的・反社会的行動が強まることもあります。

簡単ではありませんが、注意をする場合は感情的にならず、どのようにすればもっとよくなるかを具体的に伝えていくとよいでしょう。

人は誰でも小さな成功体験を積み重ねていくことで、自分に自身を持つことができます。

子どもの課題を細かく分けて、一つずつクリアできるように手助けする考え方は、学習や仕事などさまざまな場面で有効です。

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自閉症の人が抱える生きづらさに配慮する育て方

自閉症の人はこうでなくてはならないという思い込みや、こだわり行動があります。

こだわり行動は不安の解消や感覚刺激のためにやっていることが多いのですが、じっとしていられなかったり、手のひらをひらひらさせたり、飛び跳ねたり、壁をたたいたりすることがあります。

感覚の偏りは日常生活にさまざまな困難をもたらすことがあります。

聴覚過敏のある人は、定型発達の人が普通に聞こえる音がとても大きく聞こえたり、特定の音に過敏な反応をすることがあります。

触覚が過敏な人は、衣服を痛いと感じたり、突然触られたりすることが苦手です。

姿勢や睡眠、排泄に問題がある人が多く、情緒が不安定になりやすい人もいます。

これらは叱って無理に止めさせるとストレスになり、不安や満たされない気持ちは解消されません。

イライラして叱る前に、まずは不安の原因を探しましょう。

許容できるものは出来るだけそのままにし、他のことにすり替えたり、代替品で補ったり、賢く対応していきましょう。

自閉症の人への環境面での支援の仕方

広汎性発達障害、自閉症の人にも生活しやすい環境づくりは必要です。

自閉症の人は言葉を聞き取ることが苦手な人が多いので、ただ言葉で言うよりも絵カードや文書等、視覚的な情報を提供しましょう。

また、抽象的な指示や暗黙の了解、比喩的な表現や皮肉や冗談などの理解が困難な場合があります。

社会的な文脈やルール、「他者がなぜそのようにふるまったか?」などを文字やイラストにして示すことも有効です。

書くことや計算が苦手な人のためには電卓やパソコンなどの適切な機器を、スケジュールはカレンダーやボードに書き込み、次にやるべきことがわかるようにしてあげましょう。

予定変更があるときも、図や文書にして視覚的に示すとわかりやすいです。

学校や職場などで混乱してしまったときには、落ち着くためにひとりになれる居場所や時間が役立ちます。

忘れてはならない自閉症の親のメンタルケア

自閉症の子どもといつも一緒にいる親、時に幼稚園や保育園に送るまでは、子どもと接している時間が一番長い養育者のメンタル管理が大切です。

親にとって、わが子に広汎性発達障害や自閉症という診断名がつくことや、その可能性を示されることはたいへんな衝撃であり、心に重い負荷がかかります。

衝撃で悲しみや怒り、それを認めたくないという気持ちが生ずるのは当然のことであり、その気持ちは言葉に表せるものではありません。

また、親が子どもの特徴やニーズを理解して、必要な養育や療育行動の一歩を踏み出せるまでには時間がかかります。

しかし、その時間をできるだけ短縮した方がいいのです。

一人で悩んで自分を責めたり、子どもを愛せなかったり、さらなる悪循環を招くだけで、何の良いことももたらさないからです。

できるだけ早く医師、保健師、教師や保育士などの専門家や支援者と出会い、親同士の良い関係を築いていくことをおすすめします。

自閉症の親の会、アスペルガーの会など、様々なコミュニティの場があり、情報提供の場になっています。

先輩家庭からのアドバイスはとても心強く、どこにも吐き出すことができなかった気持ちを共有でき、勇気をもらえます。

まとめ

自閉症の子ども、広汎性発達障害の人は見かけは普通のように見えますが、様々なところで不便さを抱えていたり、生きづらいと思っていることが多いのです。

言葉で思うように表現できない自閉症の人にとっては、自分の思いが相手にわかってもらえないことは、とてももどかしいと思います。

最近は自閉症に関する書籍や、当事者の経験談などが本になり、今まで謎だった自閉症の人達の世界がどのようなものかということがわかるようになりました。

私たち親も、知識においても、育て方においても、常にアンテナをめぐらせて、よい情報を共有し、子どもと共に成長していきましょう。

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