場面緘黙症と広汎性発達障害の関連性

幼稚園や学校などで、たまにとてもおとなしい子供がいます。

ひょっとすると話すのを聞いたことがないとか、とても小さい声で話すとか、特定の人とだけ話すという子どもです。

言葉を話したり理解する能力があるにもかかわらず、家以外の社会的な状況で声を出したり話したりすることができないことを場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)といいます。

不安障害の一種と考えられていますが、緘黙症の人の中には、広汎性発達障害など他の障害を併せ持つ人も存在するといわれます。

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場面緘黙症と広汎性発達障害との関連は?

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緘黙症は一般的に場面緘黙症や選択性緘黙症と呼ばれ、家では話せるのに幼稚園や学校に行くとしゃべれないという心因性の病気です。

ほとんどの子供には知的障害や言語障害はありません。

家族とは普通に話し、コミュニケーションも取れることなどから、広汎性発達障害とは違い、後天性のものだといえます。

ある特定の場面で話せなくなってしまう子供達は、大人しい子・はずかしがり屋と思われてしまい、学校の現場では特に問題を起こすわけでもないので見過ごされてしまうこともあるといいます。

話したいのに話せない、場面緘黙という困難さを抱えるうえに、体が思うように動かせない緘動(かんどう)という状態になることもあります。

また、すべての生活場面で話すことができない状態を全緘黙といいます。

何故しゃべらないのかとクラスの子からいじめられたり、態度が悪いと先生から怒られたり、誤解を受けやすい病気でもあります。

今の日本では場面緘黙に対応できる支援機関や専門家も少なく、学校の先生も具体的にどうしたらいいかわからないなど、なかなか支援の手が届かない状況だということです。

場面緘黙の原因と症状とは

緘黙症の発症は2~5歳以前が多く、有病率は1%以下で、全児童の0・2%前後といわれています。

男児より女児にやや多い傾向にありますが、その理由は不明といわれています。

場面緘黙症は家族とは話せても、外部の人とは話せなくなってしまう病気ですが、コミュニケーションへの意欲について次の3つのタイプに分けられます。

①家族とはよくしゃべり自己主張もするが、外部には非言語的な伝達コミュニケーションを求める、神経症的不安に基づくタイプ。

②家族とはしゃべるが消極的で、外部への非言語的な伝達コミュニケーションを求める意欲も乏しく、性格や人格発達の未熟性に基づくタイプ。

③家族内外ともにコミュニケーションを拒否する傾向が強く、精神病的な問題をも含むタイプ。

対人緊張、対人恐怖、言語に対する劣等感などが強く認められることがあります。

場面緘黙の子供は効果的な教育的介入によって1、2年で克服することもあるといいます。

効果的な教育的介入を行わないと、小学校、中学校、高校、成人まで継続することもあり、早期に適切な教育的介入を行うことが大切であるといわれます。

子供の頃に場面緘黙の治療を受けたことがある成年や、大人のうちの約半数はよくなるそうです。

残りの半数は大人になっても恐れや不安を抱き、自信が無いと思っている人がいるといいます。

場面緘黙症の診断基準とは

ICD-10

選択性緘黙症とは、話す際に著しい、感情的に断固とした選択性があるのが特徴であり、子供がある若干の状況で言語能力を示すが、別の(定義可能な)状況では話すことができないものである。この障害は、通常、社交不安障害引きこもり過敏症または治療に対する抵抗などを含む、際立った個性機能と関係している。

ただし以下は除外する:

DSM-IV

場面緘黙症(選択性緘黙症)

  • 他の状況では話すことができるにもかかわらず、ある特定の状況(例えば学校のように、話すことが求められる状況)では、一貫して話すことができない。
  • この疾患によって、学業上、職業上の成績、または社会的な交流の機会を持つことを、著しく阻害されている。
  • このような状態が、少なくとも一ヶ月以上続いている。(これは、学校での最初の一ヶ月間に限定されない)
  • 話すことができないのは、その社会的状況において必要とされている話し言葉を知らなかったり、また、うまく話せない、という理由からではない。
  • コミュニケーション障害(例えば、吃音症)では説明がつかず、また、広汎性発達障害統合失調症またはその他の精神病性障害の経過中以外にも起こるものである。

「ウィキぺディアから抜粋」

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場面緘黙症に対する世間の対応

緘黙症の当事者の話では、話したい言葉は頭の中にたくさん浮かんでくるのに、先生や人前に出ると目の前にフィルターがかかったようになって、全く声を出せなくなるといいます。

ある環境下では基本的に楽しく話すことができても、環境がまったく変わると全く喋る事ができず、体が固まって動かなくなるそうです。

自己紹介に失敗してしゃべるのが恐くなった、幼稚園で勝手にトイレに行ったからと先生に怒られてから返事ができなくなったという人もいるように、あるきっかけによって外ではしゃべれなくなったという人が多いようです。

大人になっても治らない方の中には、外には一人も友達がいない、コミュニケーションができないなら働けないと断られたり、自分に存在価値があるのかと疑問を持つという人もいます。

実際、外では会話ができないという人は筆談やタブレットで言葉を伝えているそうです。

緘黙症という病名自体あまり知られていないように思いますが、子どもの頃一時期そうだったという人もいるようです。

そして家では明るくしゃべっている子供が、何故外に出ると黙ってしまうのか初めは家族も理解できないようです。

親の叱咤激励は緘黙症の子供を追い詰めてしまうことがあるので注意が必要です。

緘黙症の子供たちは家から一歩出ると緊張の連続で、言葉が出ない、身体が動かない、これはとても辛いだろうと思います。

心無い言葉でからかわれたり、いじめられたりすることもあり、理解のない教師からは否定的なレッテルを貼られることもあります。

このような目に見えない暴力は、場面緘黙の子どもの心に深い傷を残します。

そんな中でも話しかけてくれる子、穏やかに接してくれる先生、理解してくれる親がいると、とても勇気付けられ、嬉しいのだそうです。

場面緘黙症は周りの環境や適切な支援、温かい対応によって良い方向に向かうことができます。

まとめ

緘黙症の人の中には広汎性発達障害などを併せ持つ人も存在するといわれますが、診断基準では緘黙症と広汎性発達障害は同じではないといっています。

しかし、場面緘黙児の中には「かなりの割合で発達障害を併発している」「構音障害や感覚統合の障害が見られる子どもがいる」等の報告があります。

広汎性発達障害の概念が普及する以前には、広汎性発達障害の一部は緘黙症と診断されていた人もいるといいます。

広汎性発達障害も、場面緘黙も周囲の理解を得られにくいという点が共通しています。

親や教師、クラスメートの理解と適切な支援が、一人の子供の一生を左右してしまうのだということを、いまさらながら心に留めたいと思います。

学校の成績、肉体的な成長や健康は目に見えますが、心の成長や健康は目に見えないために軽く扱われてしまいがちです。

特に広汎性発達障害や緘黙症の子どもは些細なことで傷つきやすい一面を持っています。

些細な一言、些細な態度、何でこんなことができないのかという責める言葉に、さらに不安になり、恐れを抱き、萎縮してしまうのですね。

場面緘黙症の子ども達に笑顔がもどり、安心できる環境が準備されるように、周りも温かく見守ってあげましょう。

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