絵は広汎性発達障害の人の心を現します

広汎性発達障害の人に気持ちを伝えるときや理解してもらう時に、絵はとても良い媒体になります。

広汎性発達障害の人は自分の気持ちを相手に伝えることや相手の気持ちを読み取ることが苦手です。

言葉はすぐ消えてしまいますが、絵は視覚的にも印象に残ります。

絵カードやピクトグラムは、広汎性発達障害の人との意思疎通をスムーズにしてくれます。

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広汎性発達障害の人が持っているコミュニケーション、イマジネーションの特徴

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知的障害のある広汎性発達障害の子供には、言葉の遅れが見られます。

生涯まったく話し言葉がない場合もあります。

相手と目を合わせなかったり、言葉の意味を理解できない時もあります。

人の手を引っ張って物を取ろうとしたり、単語を知っていても言葉に出せなかったり、意思伝達が難しい場合が多いのです。

テレビのコマーシャルを繰り返し言ってみたり、相手の言葉を受けてオウム返しをすることがあります。

知的障害がない広汎性発達障害(アスペルガー)の子供は言葉が上手ですが、相手の表情を見ながら相手の気持ちを読み取るということが苦手です。

相手がどう思うかを考えずに、自分の関心ごとをいつまでもしゃべり続けることがあります。

また、先のことがわからないと不安になり、見えないことを予想したり、次に何をするべきかを計画することも苦手です。

広汎性発達障害の人は、耳で聞くよりも眼で見るほうが認識しやすいという視覚優位の特性があります。

今の気持ちを知りたいときには指差してもらったり、注意を与える時は紙などに書いて見せると理解しやすいのです。

すべての広汎性発達障害の人に当てはまるわけではありませんが、自閉症の息子には有効な方法です。

広汎性発達障害の人の絵の見方と描き方

広汎性発達障害の人に一枚の絵を見せると、全体を見るのではなく、その中の一部分に焦点を当てるそうです。

公園の中で、子供が滑り台やブランコや砂場で遊んでいたり、犬を散歩している人がいたり、ベンチに座って話をしている人がいたり、花壇に花が咲いているという絵があるとします。

定型発達の人はその絵を見ると、ほとんどの人が「公園の絵」と答えるのに対し、広汎性発達障害の人は「犬の絵」といったり、「花の絵」といったりするのだそうです。

夜に部屋の電気を消して、暗い中で懐中電灯をつけると一部分にだけ光が当たります。

広汎性発達障害の人は、懐中電灯で照らされた部分だけを見るように物を見るので、全体像を把握することが苦手なのです。

限定された部分に焦点を当て、さらに深く関心を持つのだそうです。

広汎性発達障害の人にバウムテスト(心理的側面を把握するためのテスト)をしてみると、共通した特徴が見られます。

「木のを描いてください」という問に対して、ある人は幹を太く描いたり、ある人は枝を強調し、ある人は葉を強調するといいます。

全体的に見るとアンバランスで、木のようだけど木に見えない絵を描く人が多いそうです。

一部分をとても細かく写真のように描く人もいれば、木の枝に鳥の絵を描いたり、木の周りに動物を描く人もいます。

部分的なものに焦点を当て、部分という部品を組み立てて全体をつくる認知スタイルで絵を描くのです。

その一方で現実離れしたファンタジックな絵を描く人も多いといいます。

自閉症の作家、東田直樹さんは著書の中でこのように書いています。

みんなは物を見るとき、まず全体を見て部分を見ているように思います。しかし、僕たちは、最初に部分が目にとびこんできます。その後、除々に全体が分かるのです。

自閉症の僕が飛び跳ねる理由より抜粋

広汎性発達障害の人がこの世界を見る時には、定型発達の人とは違う風景を見ているのかもしれませんね。

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広汎性発達障害の人が描く絵

広汎性発達障害の人の中には、サヴァン症候群というごく特定の分野に限って優れた能力を発揮する人がいます。

膨大な量の書籍を一回読んだだけですべて記憶したり、航空写真を少し見ただけで、細部にわたるまで描き起こすことができるなど、驚異的な映像記憶力をもつ人達がいます。

サヴァン症候群の人達は言葉を話せないわけではありませんが、コミュニケーションは得意ではないようです。

言語的能力が限られている代わりに映像記憶の力が優れているのではないかともいわれています。

サヴァン症候群の人の中には、芸術の分野で卓越した能力を示す人がいます。

福島尚さんという方もその一人ですが、外観のデザインだけでなく細かな部品も記憶して、資料を見ずにフリーハンドで描き上げるそうです。

手描きの鉄道の絵がすごすぎるとネット上でも話題になりました。

福島尚さんの鉄道の絵

上田豊治さんという方は三歳の時自閉症と診断されましたが、切り絵の才能を見事に開花させました。

上田豊治さんの切り絵

イギリスの建築画家のスティーブン・ウィルシャーさんは、ヘリコプターで上空をまわった後に街の中心部全体を絵にしてしまう方。

ウィルシャーさんも一度みたものを細部まで正確に絵に描くことができるそうです。

ウィルシャーさんの細密画

広汎性発達障害の子供たちの話を聞くと、音や人の声に色が見えるということもあるそうです。

不思議な世界を持っていますね。

広汎性発達障害の人の独特な映像記憶とフラッシュバック

広汎性発達障害の人は“視覚で思考する人”といわれるくらい、映像的記憶が優位であることが多いようです。

そのため幼年期のトラウマなど、嫌なこともいつまでも記憶に残っていることがあるといいます。

広汎性発達障害を持っている人たちの多くは、過去に受けた叱責や罵倒、心ない言葉等々を、繰り返し繰り返し甦らせてしまうといいます。

ある日、息子がスクールバスを降りたとたんに突然泣き出したことがあり、学校の先生に聞いても特に学校では何もなかったと言われます。

とりあえず背中をさすってやり落ち着いてくると、後はなんでもなかったようにしています。

夜、突然大声で泣き出したこともあって、こういうのがフラッシュバックなんだなと理解しました。

ひどい場合は自傷行為や過呼吸を起こす人もいるとのことなので、過去の出来事が急に襲ってくるので心配ではあります。

家でも簡単に出来る方法を他のサイトで見つけたのですが、つらい記憶を思い出している時に肩の辺り(両手を胸の前でクロスさせた時に掌が触れる場所)を左右交互にトントンと20~30回軽くたたくといいそうです。

まとめ

広汎性発達障害の人が感じる世界を本などで読むことによって、定型発達の人達が見る世界とはずいぶん違うんだなということが少しずつわかってきます。

言語やコミュニケーションが苦手な部分を、映像や絵などで表現することができるのでしょう。

皆がサヴァン症候群の人のように天才的な才能があるわけではありませんが、その人その人に合ったできること、関心のあることを見つけてあげることができたらいいなと思います。

息子も特に上手なこと、関心を持って取り組むことがありません。

小さいころに辛い思いをさせてしまったので、それはずっと残ってしまうことも心に留めておかなければいけないと思います。

知的障害のある自閉症の人は何を考えているのかを読み取りにくいのですが、で気持ちを表したり伝えることができます。

定型発達の人のほうから歩み寄っていく姿勢があれば、広汎性発達障害の人に対する理解はもっと深まると思います。

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