注意欠陥障害(ADHD)が改善される薬?とその副作用
大人の発達障害を見てくれるところは精神科や心療内科ですが、注意欠陥障害(ADHD)の治療にお薬が使われる場合があります。
人によっては薬を飲むのは反対だと言う方もいますが、薬を飲むことによって生活が改善されたという方もいるのです。
薬の副作用も考慮しながら、生活に取り入れてみるのはいかがでしょうか。
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注意欠陥障害(ADHD)の治療法は?
発達障害の一つである注意欠陥障害(ADHD)は、「不注意」「多動性」「衝動性」を持つ先天性の脳の機能障害です。
さらに「不注意優勢型」「多動・衝動優勢型」「混合型」があり、症状の現れ方や程度には個人差があります。
子どもの多動は大きくなるにつれ落ち着いてくるので、ADHDは子供に多いと思われていましたが、大人になると治るというものではありません。
昔は日常生活が普通にできるようなら、わざわざ病院に行かなかったと思いますが、社会の変化に伴い発達障害の人は社会に適応しにくい人たちになってしまいました。
コミュニケーションに問題があるとか、時間が守れないとか、仕事でミスが多いとなると、会社に勤めることが難しいです。
注意欠陥障害(ADHD)の治療方法として、問題となっている部分を緩和するために仕事環境を調整したり、周囲の対応方法を変えるという方法、症状を緩和するためにお薬を投与する場合があります。
障害があることを会社に言えない、または言いたくない人は、医師と相談の上、お薬を投与してもらうのですが、お薬がすべての人によく作用するわけではありません。
お薬の効能も副作用も個人差があるため、自己判断で薬の量を調節したり、服用をやめてしまうことがないように、また体の不調を我慢しないで、医師と相談しながら行っていきましょう。
ADHDの治療は、家庭や学校や職場などでの様々な問題が改善されるようになることが重要なので、長期的な治療やサポートが必要になります。
注意欠陥障害(ADHD)に使われる薬と副作用
ADHDの方に処方されるお薬はコンサータとストラテラでしたが、今年2017年3月からインチュニブという新薬が認可されました。
コンサータ
脳の中枢神経を刺激して、脳内の神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンの量を適量に調節する薬です。
服用して2時間くらいで効果が現れるといわれ、効き目は12時間程度です。
9時に仕事が始まるなら7時くらいに飲んでおけばいいということですね。
薬の効き目が切れると同時に効能がなくなり、脱力感、眠気に襲われることがあるそうです。
覚醒作用があるので、午後に飲むと夜眠れなくなることもあるとのことです。
効能
・集中して作業ができるようになる
・複数の事務処理ができるようになる
・物事の優先順位を付けられるようになる
・イライラしないようになる
・頭の中がクリアになる
副作用
・のどの渇き
・頭痛
・吐き気
・平衡感覚のずれ
・動悸
・めまい
・手の震え
ストラテラ
ストラテラはうつ病の治療薬であったものが、ADHDにも効果が見られるということで使われるようになったといいます。
ノルアドレナリン再取り込み阻害薬で、非中枢刺激薬として分類され、比較的副作用が少ないといわれています。
脳内の神経伝達物質であるノルアドレナリンの量を調節することにより、不注意や落着きのなさ、多動などが改善されるといわれています。
安全なお薬といわれていますが、毎日飲み続けて効果が出るまで1ヶ月くらいかかるそうです。
最初のうちはコンサータも一緒に処方される場合があります。
効能
・頭の中の様々な思考が静まる
・感情のコントロールができるようになる
・外界に対する過敏性がおさまる
副作用
・食欲不振
・頭痛
・眠くなる
・腹痛
・吐き気
・口の渇き
・自殺念慮がおこる
・アイディア、感性が減退する
インチュニブ
インチュニブは2009年にアメリカで使われるようになり、日本では今年から承認されました。
ストラテラと同じように耐性、依存性がなく、安全なお薬といわれています。
インチュニブはアドレナリン2A受容体を刺激することでADHDの症状を改善させるといわれます。
アドレナリン2A受容体を刺激すると、交感神経を押さえ、中枢神経の情報伝達をスムーズにする働きがあることがわかってきました。
血圧を下げるお薬として使われていたものが、ADHDに使われるようになったのです。
ストラテラの効果が現れるまで1ヶ月以上かかっていたのに比べ、インチュニブは1~2週間で効果が現れるといわれています。
インチュニブは6歳以上18歳未満の小児に対して承認されています。
日本では承認されたばかりの薬のため、どのような効果が見られるのか期待したいところです。
血圧を下げる薬であるため、次のような副作用が提示されています。
・血圧低下や脈拍数低下
・眠くなる
・頭痛
・房室ブロック
・腹痛
・下痢
・倦怠感
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薬の副作用は個人差が大きい
ADHDの方がお薬を飲んだ感想をブログなどで書いてくださっていますが、効能も副作用も人それぞれだなあと思います。
同じ薬を飲んでも、全く同じではないですし、副作用を強く感じる人と、そうでない人もいますね。
ADHDの薬といえば、今はコンサータとストラテラの2種類が処方されるようですが、2つのお薬を飲んでいる方もいるし、それ以外の薬も一緒に処方されている方もいるようです。
人によって仕事の内容、任せられている責任、生活環境が違うので、薬を飲み始めたからといって、必ず満足する効果が現れるとは限りません。
薬の効果が現れるまで、副作用に耐えなければならないことは、とても辛いことだと思います。
ADHDの症状を生活に支障のない状態にするまでに、常に薬の量や薬の種類を調節したり、副作用が強ければ、副作用を抑えるための薬を追加するなど、簡単ではないことがわかります。
薬の副作用は徐々に減っていくといわれていますが、人によっては我慢できないということもあります。
注意欠陥障害(ADHD)の方の頭の中は、様々な情報や思考が常に頭の中をめぐっているという感じらしいです。
見た目にはわかりませんが、頭の中では忙しく、次から次へと様々な発想が浮かんでくるのだそうです。
それがよく言えば発想が豊かで、新しいアイディアが浮かぶ、クリエイティブな一面なのだと思います。
しかし、薬を飲むことで、そのごちゃごちゃとした頭の中の世界が静かになるという方が多いです。
それがとても助けになったという人がいるかと思うと、感情や意欲がなくなってしまって、日常が虚しいとさえ感じる方もいるようです。
薬の副作用はADHDの長所ともいえる「発想の力」や「創造性」を抑えてしまうことも、心に留めておきましょう。
自閉症の子供も多動で、落着きがなく、周りが大変なので薬を服用する場合があります。
しかし、薬を飲むようになると静かで落ち着くようになるのですが、意欲がなくなったり、副作用で太ってしまったりするのです。
わたしたちは問題があると、すぐ薬に頼ってしまう一面ももっています。
本当に薬が必要なのか、よく考えて、よく調べてみることをお勧めします。
注意欠如・多動症ーADHD-の診断・治療ガイドライン第4版 [ 斉藤万比古 ] |
まとめ
現在注意欠陥障害(ADHD) に使われる薬は3種類です。
薬の副作用を考えると、薬を飲むことに悩む方もいらっしゃるかもしれません。
また、精神の薬は飲まない方がいい、飲んではいけないという意見も多いと思います。
しかし、その苦しさというものは本人しかわかりません。
仕事のミスが多く、叱られてばかりいた日常生活の困難が改善されれば、本人にも自信がついてセルフイメージを高めることにもつながります。
そして、薬だけに頼るのではなく、環境を変えてみることや、スキルトレーニングも同時に行っていきましょう。
薬の服用については主治医とよく相談してください。
できれば患者の立場に付き添ってくれるお医者様を見つけることも必要だと思います。
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