広汎性発達障害の常同行動への対応

広汎性発達障害の人に見られる常同行動とは、手をひらひらさせたり、身体を揺らしたり、手を叩いたり、その場で飛び跳ねたりするような行動のことです。

広汎性発達障害の人は何故常同行動を起こすのか、どう対応すればいいのか、減らすことができるのか等について調べてみました。

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広汎性発達障害に見られる常同行動とは

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常同行動とは広汎性発達障害の人に、特に知的障害のある人に多く見られます。

例をあげると、手をひらひらさせる、身体を前後または左右に揺らす、両手を叩く、ピョンピョン飛び跳ねる、クルクル回る、部屋を行ったりきたりする、大きな声を出す、同じ独り言を何度も繰り返して言うなどです。

どういう時にするのかというと、息子の場合はスクールバスを待っている時や、授業の合間のやることの無い時間、夜眠れなくて突然起きたかと思うと、部屋を行ったりきたりすることがあります。

人が大勢いるところに行った時など不安になるとき、緊張した時にも現れます。

常同行動は広汎性発達障害のほかにも認知症患者や強迫性障害の人にも見られます。

動物もストレスを受けると常同行動を起こすといわれています。

動物園の北極熊や象が檻の中を行ったりきたりすること、犬が自分の尻尾を追いかけてくるくる回っていることも常同行動だといわれています。

常同行動は前頭葉障害と強く関連しているといわれ、前頭葉を主病変とする前頭側頭型認知症(FTD)においても特徴的な症状です。

前頭葉は脳の司令塔とも言われ、ここが機能していないと感情調整、欲求調整がうまくいかない、意欲・発動が低下する、固執性が出てくる、共感性が低下するといわれます。

広汎性発達障害も前頭葉の機能と関連して、このような常同行動が現れてくるのかもしれません。

広汎性発達障害の常同行動はやらせてあげる?止めさせる?

広汎性発達障害の常同行動は、他者に危害を与えたり、迷惑をかけたりするものでなければ、無理にやめさせない方がいいといいます。

こうした行動を一方的に止めようとすると、かえって本人の混乱や癇癪、パニックの引き金となってしまうことがあります。

常同行動は不安な心をなだめたり、緊張をやわらげたりするためにすることがあるという話を聞いたことがあります。

また、手をたたく、飛び跳ねたりするのは「身体感覚の曖昧さ」を打ち消す意味もあるといいます。

しかし、このような行動に無意味に時間を費やすより、常同行動の時間を短くしてあげた方がいいという意見もあります。

常同行動の起こる原因やパターンを把握し、できるだけそうした行動を起こさなくても済むようにしてあげる必要があります。

常同行動の原因が、本人がすることがない、することがわからない、退屈だからというのであれば、視覚的支援を用いて次に何をするべきかを伝えます。

不安や緊張を和らげるため、苦痛から逃れたいためにするのであれば、環境的な要因を取り除く必要があります。

静かにしていなければならない席で、叫ぶ、飛び跳ねる場合は席をはずして、少し様子を見ましょう。

知的障害のある自閉症の人たちは、自分の気持ちを言葉に出すことができないので常同行動が多く現れます。

また、感覚過敏を持っている場合も多いので、叱ったり、無理にやめさせたりするよりも、何故そうなのか配慮してあげることが必要です。

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広汎性発達障害の常同行動と深いかかわりを持つ感覚

わたしたちは外部からの刺激を情報として受け取っていますが、その刺激を感覚と呼んでいます。

感覚には特殊感覚と一般感覚があり、視覚(見る)、聴覚(聞く)、嗅覚(嗅ぐ)、味覚(味わう)、触覚(触る)の五感と、それ以外に前庭感覚と固有感覚があります。

広汎性発達障害の人は感覚に過敏だったり、鈍感だったりすることが知られています。

聴覚過敏を持つ人は多く、何気ない音に恐怖を感じたり、多くの人がざわざわと話す声に落着きがなくなる、特定の音に嫌悪感を示すことがあります。

触覚に過敏な子は、誰かが呼び止めるために後ろから肩を触っただけでも怖がる、奇声をあげることがあります。

砂や粘土の感触が苦手な子、服の感触を嫌がる子もいます。

ほかにも太陽の光、明るすぎる電球が苦手な子、臭いに敏感な子、偏食が多いこともあげられます。

痛みや、温度、圧力などを感じる原始的な触覚と、前庭感覚と固有感覚は無意識のうちに感じていることが多いので、自覚しにくい部分でもあります。

広汎性発達障害の子どもはこの自覚しにくい部分に問題を持っていることが多く、様々な常同行動もここから現れてくることが多いです。

前庭感覚は重力や回転、加速度を感じることのできる感覚で、これを感じ取りにくいと、高さや動きに対して不安になったり、恐れることがあります。

刺激の不足を補おうとして、自分でくるくる回ったり、飛んだり動き回ることがあります。

目の運動がぎこちなくなり、文字や文章を読み飛ばす、ボール運動が苦手になります。

重力に負けてしまい、姿勢が崩れやすく、物にぶつかったり、転びやすいことがあります。

固有感覚は目を閉じていても筋肉や関節の動きを感じることができる感覚のことで、これを感じ取りにくいと、腕、手、足がどのような位置にあるのか、どのように動いているのかがわかりにくくなります。

手先が不器用になる、力加減が難しいので物の扱いが乱暴になるということが起こってきます。

人は特定の感覚を感じ取りにくいと、一定量の感覚刺激を求めるようになっていますが、これを感覚欲求といいます。

広汎性発達障害の常同行動は、感覚欲求を満たしたいためにしているとも考えることができます。

広汎性発達障害の常同行動を減らすためには

感覚刺激の感じ方には個人差があり、広汎性発達障害の人の中には、特定の感覚を感じ取りにくいので、より強い刺激を感じたいと思う人もいます。

前庭感覚を感じ取りにくい場合は、いすを揺らしたり、くるくる回ったり、歩き回ったりという行動が現れます。

固有感覚を感じ取りにくい場合は、物や人を叩く、鉛筆をかむ、体の一部を動かすことがあります。

広汎性発達障害の子どもが取り入れようとしている感覚刺激が何かがわかれば、常同行動をやめさせるより、場面に応じた他の方法や、目的を持った趣味活動に移行させていくことができます。

苦手な感覚刺激によるストレスをためずに、発散できる方法や活動を準備しておくと、常同行動を減らすのに役立つかもしれません。

・休み時間に思い切り走る

・トランポリンの時間を作る

・机などの重い物を運ばせる

・ジャングルジム、登り棒などをする

・山登り、水泳をする

・子どもの苦手な感覚は把握しておき、対応に配慮する

・静かな場所や、壁に囲まれた狭い空間を準備しておく

まとめ

広汎性発達障害の子ども(人)たちは、聴覚、視覚、嗅覚、味覚、触覚などに敏感だったり、逆に鈍感だったり、確かに定型発達の人達とは違った感覚を持っているようです。

また前庭感覚や固有感覚を感じにくいことから、くるくる回っても目が回らなかったり、身体の使い方が不器用なこともあるようです。

広汎性発達障害の子ども(人)は、常に感覚の異常を感じながらも、何とかしようとしているのが常同行動だということを、もっと周りの人が理解してあげないといけないですね。

感覚の感じ方は個人差があり、特に無意識に感じている部分においてはわかりにくいです。

広汎性発達障害を理解するということは、本当に様々な分野からのアプローチが必要なのだなと思います。

広汎性発達障害の子供や人が暮らしやすくなるために、感覚の問題の部分に働きかけるのが「感覚統合療法」です。

彼らの常同行動の背後にある感覚欲求を見てあげられるようになれば、理解が一歩進んだことになりますね。

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