これからの広汎性発達障害の就職支援

広汎性発達障害の人が学校を卒業したら、次はどこに行けばいいのだろうかというのが、親の一番の心配どころです。

障害者雇用率は上がっているといいますが、広汎性発達障害の人の場合の就職支援はどうなっているでしょうか。

人によっては障害の開示をしなければいけないのかということも気になるところです。

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広汎性発達障害の人は就職が難しい?

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広汎性発達障害には自閉症、小児期崩壊性障害、アスペルガー症候群、高機能自閉症、特定不能の広汎性発達障害等が含まれます。

この障害を持つ人は社会性やコミュニケーションに特徴があり、強いこだわりや感覚過敏を持つ場合があります。

一つの仕事をこつこつすることはできるのですが、一度に複数のことを頼まれるとパニックになったり、臨機応変な対応ができない、人間関係で問題を起こすことも多く、就職しても長く勤めることができない場合があります。

広汎性発達障害の人は、学校を卒業後どこに就職できるのかということは、親にとっても、本人にとってもとても大きな関心ごとになりますが、実際の就職状況はどうかというと、十分な準備をしないと悲惨だということです。

発達障害の人の2割が正社員で就職、1割が派遣社員、1割がアルバイト、残りの6割は福祉サービス利用や無職という感じです。

重度の発達障害の人より、軽度の発達障害の人のほうがむしろ、就職は難しい傾向にあるようです。

軽度の広汎性発達障害の人の就職が難しい理由

軽度の広汎性発達障害というのは、アスペルガー症候群、高機能自閉症、特定不能の広汎性発達障害などや、ADHD、LD等の発達障害の人です。

この人たちは知的な遅れがないので、本来もっている社会性、コミュ障の問題をそれなりにカバーしながら高校、大学と進学しますが、学校を卒業していざ就職してみると、職場で躓くケースが少なくありません。

原因の一つに考えられるのは、日本の社会が変化していること、農林水産業、製造業が減り、サービス業、マネージメント的な業務が増えてきたことです。

ほとんどの会社は仕事を効率化するために、少人数で利益を上げることを目標としているので、一人がマルチ的な仕事をしなければなりません。

その結果、一人で複数の仕事を処理しなければならなかったり、その場の変化にあわせて臨機応変な対応を求められます。

こういう職種は広汎性発達障害、発達障害の人にとって、苦手な部分であるため、大学をでて就職しても仕事でミスをしたり、人間関係でトラブルを起こすことがあります。

また、軽度の広汎性発達障害、発達障害の人は、障害に気づかないまま大人になる人もいて、社会に適応できずに、うつ病などの二次障害を起こして精神科外来を訪ねるという人もいます。

近年、大人の発達障害が増えているというのはこのような人たちですが、彼らは自分の適性にあった仕事を選ばなかった時には辛い環境下におかれることになります。

重度の広汎性発達障害の人に対する就職支援

知的障害のある広汎性発達障害の人は、早くから診断を受ける人が多いので、特別支援学校で作業学習をしたり、就職に向けての校外実習に取り組んでいくことができます。

どのような職種、作業に向いているのか、卒業後の進路に向けて時間をかけて準備することができるので、就職には有利な支援が行われているといえるでしょう。

息子の通う支援学校の卒業生の進路状況をみると、過去3年間で10名が就職、55名が福祉サービス等を利用しています。

この学校の高等部では、卒業するまでに計5回の校外実習に参加することができ、生徒の特性にあわせて実習先を検討していきます。

支援学校の生徒はほとんど障害者雇用で就職についています。

個人の適正を十分考慮したうえで職種を選んでいることも、無理のない選択だと思います。

在学中から実習に行くことで、雇用側にもどんな生徒か知ってもらえるというメリットがあり、就職後に何か問題があれば、進路の先生も交えて改善策を検討するなど、アフターケアもしてくださっているようです。

最近は特別支援学校の中でも、就労を目指すことを前提にしている学校もあり、支援学校の中に職業要請コースを備えているところもあります。

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今後の広汎性発達障害、発達障害の人のための就職支援

軽度の広汎性発達障害、発達障害の人たちが将来の進路を決める時には、自分の特性をよく知っておいた方がよいと思いますが、大人になるまで気づかない人もいます。

就職後に適応障害を起こしたり、何度も転職することになる人もいますが、自分の適性にあう仕事選びをすることも大切だと思います。

対人関係が苦手なので、接客業ではなく厨房の調理師になった人、研究することが好きで、研究者や学者になった人、塾の講師、翻訳家、漫画家になる人もいます。

広汎性発達障害、発達障害の人たちが、自分の適正にあった就職先を見つけることができるように、サポートしてくれる事業所もできています。

発達障害情報・支援センター http://www.rehab.go.jp/ddis/

ハローワークインターネットサービス

https://www.hellowork.go.jp/member/sy_guide.html

就労移行支援事業所ウイングル http://www.wingle.jp/

障害者雇用促進法の改正によって広がる広汎性発達障害への就職支援

国は事業主に対して、障害者雇用率に合った身体障害者・知的障害者の雇用を義務付けています。

障害者の法定雇用率は5年ごとに見直しされ、現在の民間企業の法定雇用率は2.0%です。

平成28年4月から「障害者差別禁止指針」と「合理的配慮」が企業に対して義務化されます。

障害者差別禁止指針は、すべての企業を対象に、募集や採用に関して障害者であることを理由とする差別を禁止することなどを定めています。

合理的配慮指針は、すべての企業を対象に、募集や採用時には障害者が応募しやすいような配慮を、採用後は仕事をしやすいような配慮をすることです。

平成30年4月からは、精神障害者を法定雇用率の算定基礎に加えるようになります。

知的障害のない広汎性発達障害、発達障害は精神の障害に該当するので、国が認める障害の範囲が広がったといえます。

企業は障害者雇用率を達成していかなければならないので、受け入れ態勢を整えていくようになります。

少しづつではありますが、広汎性発達障害の人の就職支援はよい方向に向かっています。

まとめ

広汎性発達障害や発達障害の人たちが、就職支援を受けて就職するようになるまで、また長く勤めることができるようになるためには、就職する人と受け入れる側との相互理解が必要です。

息子の校外実習に向けて、就労移行支援や福祉サービスの事業所を見学にいくのですが、そこには一般企業に就職したのに続かなくて移ってきた人たちもいます。

大学をでて大手企業に就職しても、長く勤めることができずやめてしまう人も多いのだそうです。

その方は後で発達障害だということがわかったそうですが、広汎性発達障害や発達障害の人が就職するのは簡単ではないのだなあということを感じました。

定型発達の人でさえ就職するのは大変な時ですから、広汎性発達障害の人はさらに慎重に準備を進めていかなければならないと思います。

学校時代と社会にでてからはぜんぜん違います。

自分の得意分野と苦手な分野を知っているでしょうか、どんな仕事が向いているのでしょうか、どんな仕事なら続けていけるでしょうか。

自分はどんな人間なのか、将来どんな人間になりたいのか、時間をかけて自分と向き合う時間をとることも大切だと思います。

広汎性発達障害や発達障害があっても自分にあった仕事を見つけ、自分の才能を職場で発揮している人もいます。

障害があることを開示せずに一般雇用で働いている方もいます。

障害のある人が自分にあった職場選びをされ、苦手な部分を補いながらも社会に貢献していかれるように願っています。

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