対人関係が苦手な広汎性発達障害

わたしたちが生きていく中で、対人関係を円滑なものにしていくことはとても大切なことですが、広汎性発達障害の特性は対人関係を難しくしてしまうことがあります。

社会性やコミュニケーションに特徴を持つ広汎性発達障害について理解しておくことは、良い対人関係を作るのに助けになると思います。

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広汎性発達障害は何故対人関係に問題が起こる?

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広汎性発達障害は社会性、コミュニケーション、イマジネーションに特徴を持つ先天性の障害です。

定型発達の人とは違う情報処理の仕方をするので、対人関係にも多少の困難を生じやすいのです。

広汎性発達障害の子どもはひとり遊びをすることが多いのですが、自分の関心のあることにはとても集中力を見せる反面、関心のないことには関与しません。

周りから本を見せたり、興味を引こうと働きかけても関心を見せないということがあります。

自分の関心ごとをずっと話し続けたり、人の話を遮ってしまうこともあります。

また、言葉の意味を理解せずに思ったことを口に出してしまうので、相手の気持ちを考えずに傷つけてしまうこともあります。

先天的に音や光、触られることに敏感なことがあります。

中には人の声や雑音や、外の車の音まで一度に耳に入ってくることもあり、先生の言うことが聞き取れなかったり、理解できないこともあります。

予想できない行動に対応するのが苦手でパニックやかんしゃくを起こすことがあります。

広汎性発達障害の幼少期の対人関係

言葉が遅い、みんなと遊べるようになった方がいいからと、小さいころから集団の中に入れたらいいのではないかという意見もありますが、慎重にした方がいいようです。

保育園や幼稚園に入ると、そこには子供たちの泣き声、キャーキャー騒ぐ声、突然ぶつかってきたり、けんかしたり、広汎性発達障害の子どもにとっては予想のつかない怖い場所になる可能性もあるからです。

今まで親と静かな環境の中で過ごしていたのに、いきなり大勢の子どもの中に入れられると、臆病な子どもはどうしていいかわからなくなり、さらに気持ちが不安定になることがあります。

中には乱暴になったり、反抗的な態度にでてしまったり、自分を傷つけてしまうこともあります。

保育園や幼稚園とはどんなところで、どんなふうに過ごせばいいのかが大体わかり、安心して取り組めるようになるまで、最初は短い時間お母さんが付き添っていくくらいのほうがいいようです。

しかし、実際にはお母さん同伴を認めるところは少ないでしょうし、お母さんもやっとできた自分の時間を有効に使いたいので任せてしまうことが多いと思います。

広汎性発達障害の学童期の対人関係

保育園や幼稚園の時期を過ぎると学校選択の時期を迎えます。

広汎性発達障害で重度の知的障害がある場合は支援学校、軽度で言葉の遅れのある場合は特殊学級がいいのではないかと思いますが、友達と一緒に過ごしたい気持ちが育っている子は普通学級でも大丈夫かもしれません。

子どもの状態を見ながら、学校選びは慎重にされた方がいいと思います。

知的障害のないアスペルガー症候群、高機能自閉症の子供は普通学級に入りますが、勉強の遅れ、対人関係を難しくしてしまうことがあるので注意が必要です。

学校では遠足、運動会、学芸会など、たくさんの行事があり、クラス替えや担任が変わるなどの変化は、広汎性発達障害の子どもにはとても刺激的です。

担任の先生とのコンタクトはまめにとり、できる範囲で子どもの状況を把握してもらいましょう。

子どもが充実して楽しめる時間や場面がきちんと確保されているのかを確認することは大切です。

小学校低学年のうちは、まだみんなで仲良くしようという雰囲気ですが、高学年になると軽度の広汎性発達障害の子どもは、からかいやいじめの対象になることがあり、不登校になることもあります。

言葉のできない子であってもストレスによって形に現れてくるものがあります。

乱暴な行動がエスカレートしてきた、奇声を発するようになった、夜寝ない、こだわりや自傷が激しくなった時や、チック症状、円形脱毛症、朝になると腹痛を訴える、熱を出す、じんましんが出るなどの身体異常が出てきた時は、注意深く様子を見てあげましょう。

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広汎性発達障害の子供の対人関係を助けるために

学校でどんなことに気をつけたらいいのかを、ソーシャルスキルを用いて説明してあげましょう。

広汎性発達障害の子どもには言葉で言うより画像や映像で見せてあげる方が理解しやすいのです。

コミュニケーションをとるには相手の言葉を理解しなければなりませんが、曖昧な言い回しは苦手だということを、親も周りの人も知っておくといいです。

「あれとって」「これ捨ててきて」「ちょっと待って」という言葉よりも、「机の上の本」「床のごみ」「5分待って」という具体的な言葉を使いましょう。

また、一度に幾つも指示を出すと混乱してしまうので一つづつ指示を出しましょう。

言葉が話せるからといっても、広汎性発達障害の子どもは言葉の意味を理解していないことがあります。

周囲の人がその子が訴えようとしている気持ちに気づかずに、言葉の上だけでやり取りしてしまうと信頼関係が作れません。

表面の言葉にとらわれず、なぜそれを言うのか理由を見つけて、その気持ちに合わせてあげるといいと思います。

これは子供にとっても親にとっても大変なことですが、対人関係や社会のルールを身につけるには、何度もくりかえし経験を積むことです。

広汎性発達障害の人が対人関係により二次障害をおこすことも

広汎性発達障害の特性から、アスペルガー症候群、特定不能の広汎性発達障害、高機能自閉症の人たちは、人の気持ちを察することができなかったり、人の話を聞くのが苦手であったり、変更・中止など予定外のことに対応できなかったりと、対人関係で問題を起こしやすいです。

学生時代、アルバイト先、社会人、家庭をもってからも、様々な環境で難しい問題にぶつかるでしょう。

軽度の広汎性発達障害の人は、本人は一生懸命頑張ってるのに、ふざけていると思われたり、ミスを繰り返してしまうことがあります。

そんなときに、障害を知らない人から強く注意されたり非難されると、強い自己嫌悪に陥ってしまいます。

彼らは小さいころから障害の特性のために生きづらさを感じながら生きています。

いじめやからかいの対象になってきた人が多く、精神的に深い傷を負っている場合があります。

そして記憶力が良いので嫌な記憶がいつまでも残ってしまい、フラッシュバックを起こすこともあります。

周囲との摩擦やストレスが原因となり、不登校、強迫性障害、不安障害、統合失調症、うつ病、ひきこもり、摂食障害などの二次障害を引き起こす場合があります。

自分の特性をよく知っておくことは大切で、ときには周りの理解を得ることも必要ではないでしょうか。

まとめ

広汎性発達障害の人は生まれたときから、対人関係に問題を持っているとも言えるかもしれません。

軽度の広汎性発達障害では、本人も周りも気づかないまま大人になってしまう人もいるし、初見ではわからないことも多いのです。

周りとうまくやっていきたいと思いながらも、どうしていいのか分からず、学校でも職場でも悩んでいる人が多いです。

広汎性発達障害は周囲の理解と支援が必要な障害であり、適切な支援があれば適性を生かしたすばらしい能力を発揮することも可能です。

彼らが社会に貢献できる環境が整えられるように、広汎性発達障害に対する理解がさらに深まるように願っています。

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