大人の発達障害と障害者手帳

大人の発達障害というと、アスペルガーやADHDのように、日常生活にはそれほど支障のない、軽度の発達障害の人ですが、子どもの頃から様々なストレスを抱えて、生きておられるようです。

大人の発達障害の方が申請できるのは、精神障害者保健福祉手帳ですが、取得することにより、社会生活に貢献できることもあります。

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大人の発達障害と精神障害者保健福祉手帳

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発達障害の人が精神障害者保健福祉手帳の対象になる、ということは厚生労働省によるウェブサイト「みんなのメンタルヘルス総合サイト」に記載されています。

厚生労働省 精神障害者保健福祉手帳について

対象となる方

何らかの精神疾患(てんかん、発達障害などを含みます)により、長期にわたり日常生活又は社会生活への制約がある方を対象としています。
対象となるのは全ての精神疾患で、次のようなものが含まれます。

  • 統合失調症
  • うつ病、そううつ病などの気分障害
  • てんかん
  • 薬物やアルコールによる急性中毒又はその依存症
  • 高次脳機能障害
  • 発達障害(自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害等)
  • その他の精神疾患(ストレス関連障害等)

ただし、知的障害があり、上記の精神疾患がない方については、療育手帳制度があるため、手帳の対象とはなりません。(知的障害と精神疾患を両方有する場合は、両方の手帳を受けることができます。)
また、手帳を受けるためには、その精神疾患による初診から6ヶ月以上経過していることが必要になります。

精神障害者保健福祉手帳の等級は、1級から3級まであります。

1級 精神障害であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの(概ね障害年金1級に相当)
2級 精神障害であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの(概ね障害年金2級に相当)
3級 精神障害であって、日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの(概ね障害年金3級に相当)

少し前までは、大人の発達障害は手帳を申請しても、もらえないという話もありましたが、発達障害の特性ゆえに日常生活、社会生活が制限を受け、発達障害の診断から6ヶ月が経っているようなら、少なくとも3級の資格は満たすことになります。

障害者手帳の申請は、各自治体が窓口になっており、手帳の申請・取得に積極的なところと、あまり積極的でないところと、地域差はあるようですが、様々な支援が受けられるということを知っておくと、役に立つことがあるかもしれません。

精神障害者保健福祉手帳を持つことで受けられる支援

大人の発達障害の人が、精神障害者保健福祉手帳を持つことで、どのような支援が受けられるのでしょうか。

各自治体によって、受けられるサービスと、そうでない場合があるので、お住まいの福祉課に必ずお問い合わせください。

受けられるサービス

精神障害者保健福祉手帳を持っていると、次のようなサービスが受けられます。

全国一律に行われているサービス
  • 公共料金等の割引
  • NHK受信料の減免
  • 税金の控除・減免
  • 所得税、住民税の控除
  • 相続税の控除
  • 自動車税・自動車取得税の軽減(手帳1級の方)
  • その他
  • 生活福祉資金の貸付
  • 手帳所持者を事業者が雇用した際の、障害者雇用率へのカウント
  • 障害者職場適応訓練の実施

自立支援医療(精神通院医療)による医療費助成や、障害者自立支援法による障害福祉サービスは、精神障害者であれば手帳の有無にかかわらず受けられます。

地域・事業者によって行われていることがあるサービス
  • 公共料金等の割引
  • 鉄道、バス、タクシー等の運賃割引
    ※なお、JRや航空各社は現時点では対象になっていません。
  • 携帯電話料金の割引
  • 上下水道料金の割引
  • 心身障害者医療費助成
  • 公共施設の入場料等の割引
  • 手当の支給など
  • 福祉手当
  • 通所交通費の助成
  • 軽自動車税の減免
  • その他
  • 公営住宅の優先入居        みんなのメンタルヘルスより抜粋

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大人の発達障害の人が福祉手帳を申請する方法

まずは、かかりつけの医師に、精神障害者保健福祉手帳を取得したい旨を相談し、主治医が診断書を書いてくれるなら、診断書を出してもらいましょう。

もし、主治医が同意してくれない時は、精神科や心療内科、もしくは大人の発達障害をよく診ている病院で相談してみましょう。

手帳の申請は、お住まいの市町村の福祉課が窓口になります。

申請に必要なものは次の通りです。

  • 申請書
  • 診断書又は、精神障害による障害年金を受給している場合は、その証書等の写し
    ※診断書は、精神障害の初診日から6か月以上経ってから、精神保健指定医(又は精神障害の診断又は治療に従事する医師)が記載したもの。(てんかん、発達障害、高次脳機能障害等について、精神科以外の科で診療を受けている場合は、それぞれの専門の医師が記載したもの。)
  • 本人の写真
  • 申請は、家族や医療機関関係者等が代理で行うこともできます。
  • 申請すると、各都道府県・政令指定都市の精神保健福祉センターにおいて審査が行われ、認められると手帳が交付されます。(なお、年金証書等の写しが添付されていれば、必ず手帳が交付されます。)

手帳の有効期間は2年間です。

有効期限の3か月前から更新手続きを行うことができますが、役所から通知が来ないこともあるので、忘れないように注意しましょう。

大人の発達障害の人と福祉手帳の付き合い方

大人の発達障害の人が、福祉手帳を申請するということに、否定的な考えを持っている方も少なくないようです。

または、親や親族が快く思わない場合もあります。

大人の発達障害の人というのは、一見、障害があるようには見えませんし、日常生活において著しく支障があるわけではありません。

手帳を持つことで、周囲に自分は障害者であることを知らせなければならないこと、周囲から偏見の目を向けられるかもしれないので、手帳を申請しないという人もいるようです。

発達障害は先天性の脳機能の障害であり、治癒するということはないので、さまざまな支援をうけたり、生活を工夫したり、必要なスキルを身につけるなどして、障害とつきあっていくことが大切です。

大人の発達障害の人は、障害の特性により、社会に適応できないことが多く、特に対人関係では、かなりのストレスを受けています。

子どもの頃からずっと感じてきた生きづらを緩和するために、必要な支援を受けることは、決して悪いことではなく、後ろめたいことでもありません。

精神障害者保健福祉手帳という名前自体、受け入れたくないという人もいるかもしれませんが、大人の発達障害という診断を受け止め、社会に適応していくことを優先するなら、前向きに考えていくことも必要かもしれません。

精神障害者保健福祉手帳があると、実際、税金面や手当ての支給、障害者枠での就労など、日常生活の助けになる部分も多くあります。

これらの支援が、大人の発達障害者が抱えているストレスを、軽くすることができるかもしれません。

すべての発達障害の人に福祉手帳が必要というわけではありません。

申請するかどうかは個人の自由ですが、社会に適応できず、大人になってから発達障害の診断を受けて、辛い思いをしている方がいるのでしたら、考えてみるのも一つの選択かと思います。

まとめ

発達障害者専用の手帳があったらいいのにと思ったことがあります。

発達障害の人が、二次障害による精神疾患を併発してしまうこともありますが、精神障害と発達障害は同じではない気がするからです。

大人になって発達障害と診断された人が、福祉手帳を申請するということは、とても勇気がいることかもしれません。

でも、必要な支援を受けて、もっと自分は社会に貢献したいと思う人も、障害を隠さずに働こうと思っている人もいるのです。

これからは、発達障害を隠すのではなく、障害の特性をよく理解して、自分に必要な支援、必要なスキル、向いている仕事について、前向きに考えていくことも賢い生き方かもしれません。

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