場面緘黙の原因と治療について

場面緘黙とは家族とは普通に話すことができるのに、家以外の幼稚園や学校では、声を出して話すことができないことが一ヶ月以上続く状態をいいます。

子どもが自分の意思で「わざと話さない」のではなく、話せなくなってしまうのです。

なぜ場面緘黙になってしまうのか、その原因と治療について調べてみました。

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場面緘黙とはどんな病気?

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家庭では自然な会話ができるのに、学校に入った途端に先生や友達と話せなくなる子どもがいます。

学校で仲の良い友達とは少し話せるけれども、先生がいる場面では全く話せない子どももいます。

発話だけでなく、非原語の表情や動作での意思表示や動作表現もできない場合もあります。

人によって話せない場面・程度に違いがありますが、一般的には「家では話ができ、家族とのコミュニケーションは全く問題がないのに、家族以外や学校で全く話せないことが続く」状態のことを言います。

場面緘黙の子どもの90%以上が心に不安や恐怖を抱いているといわれ、この病気は長期にわたって影響を及ぼすので、本人がとても辛いものです。

場面緘黙になる子供には次のような特徴が見られます。

・無表情

・心配や恐怖への過剰な反応

・他人への非言語的な対応が困難(指差し、うなずく、手を振るなど)

・反応が遅い

・内向的

・ぎこちなくこわばった身振りがみられる

場面緘黙の子ども達は、気質的に内気で恥しがりやなことが多く、就学前にはおとなしい子、恥しがりやと思われています。

大きくなったら治るだろうと思われていますが、学校に入学して友達との交流や、何かをしたり、話したりするようになると、場面緘黙がはっきりとしてきます。

親は、学校の先生から子どもが学校で話をしないということや、友達と交流しようとしないという話を聞いてはじめて、子どもが場面緘黙であることに気づくこともあります。

この状態が1ヶ月以上続いた場合は、場面緘黙の可能性があります。

場面緘黙の子どもたちは、大人になれば治ると漠然と思われてきたのですが、最近は大人になっても、緘黙症の状態が続いている人たちが少なくないということです。

日本では1000人に2~3人の割合で発症するといわれており、男子より女子のほうが1.5~2倍発症率が高いようです。

場面緘黙の原因について

なぜ場面緘黙になってしまうのか、その原因ははっきりしていませんが、一つには遺伝的要因があります。

場面緘黙の子どもは、不安になりやすい気質を家族から受け継いでいるというものです。

入園や入学、転居や転校時などの環境の変化がきっかけになり、発症することが多いようです。

クラスでの先生からの叱責やいじめがきっかけとなることもあります。

場面緘黙児は、分離不安、かんしゃく、神経質、睡眠の問題を抱えている、すぐ不機嫌になる、親と離れられないなど、幼いころから強い不安の兆候をあらわします。

そのほかには、両親が違う言葉を話す、外国生活をしていた子どもが発症しやすいと言われています。

場面緘黙の原因は、情報も少ないため悩まれる保護者の方も少なくありません。

母親のしつけや育て方、愛情不足などが原因ではないかとご自分を責めてしまう方もいますが、そうではありません。

最近では場面緘黙の原因は、不安症や恐怖症の一種と捉えられるようになってきました。

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場面緘黙の治療について

場面緘黙の治療は適切な治療法を用いれば1~2年で克服できるという報告もあれば、特別なことをしなくても自然に治る場合もありますが、大切なことは早期発見と早期治療です。

そして何よりも親が子供の気持ちに寄り添って一番の理解者になってあげることです。

場面緘黙の子どもは、何かのきっかけで話せなくなってしまうのですが、自分でも自分がなぜ話せなくなるのかわかりません。

周囲の理解やサポートがない外の生活(幼稚園や学校)は、場面緘黙児にとって緊張の連続です。

放置したり、間違った方法での対処は症状改善が遅れるだけではなく、腹痛や頭痛などの身体への影響に現れることもあります。

周囲の誤解や理不尽な扱いに苦しみ、無力感、自責感、孤立感、自分への怒りが生じます。

教師の理解とサポートがなければ、クラスメートからいじめを受けるリスクも高くなります。

話せないことから、社交スキルやコミュニケーション力を育てる機会を失い、うつや他の不安症状、不登校や人間不信などの二次的な問題が生じやすくなります。

場面緘黙症の発症は、ほとんどの子どもが発語や発音などには問題がないため、治療は場面緘黙の症状につながる不安や恐怖心を取り除くこと、環境への適応、自我の確立などが中心となります。

有効な治療法は、家庭と学校が協力して、まず場面緘黙児が『安心できる環境』を整えることが大切です。

研究では、不安が低い場面からスモールステップでチャレンジを進め、活動参加、動作、発話ができる場面を増やしていく行動療法的アプローチが効果的とされています。

家庭で行えていることを学校で行えるように、段階的に広げていく取り組みです。

人との交流体験や、何かができるようになった成功体験をたくさん積んで、自信をつけていくことが大切です。

アメリカでは極微量のSSRI(抗うつ薬)の投与で不安を抑えて、スモールステップとくみあわせる方法が推奨されています。

さしあたって外でも話せるようになることが場面緘黙の治療の完治といえるかもしれませんが、場面緘黙が改善した後もコミュニケーションの苦手や不安を抱えている人もいます。

知らない状況や初対面の人との会話、電話での会話への恐怖等、なんらかのコミュニケーション時に不安を感じるという人も少なくありません。

場面緘黙の人にしてはいけないこと・接し方

場面緘黙の子ども達は、『どうして話さないの?』と言われることがとても辛いそうです。

話さないことを責めたり、からかったりすることで、さらに不安が高まってしまいます。

プレッシャーをかける、脅す、物で釣る、注目を集めるなどもNGです。

返事は返せなくても、声をかけてくれることがとても嬉しいと感じるそうです。

最初は「はい、いいえ」や二者択一にしてみたり、絵や筆記を使ったり準備してあげるといいかもしれません。

子どもにもよりますが、不安が大きい時には指差し、うなずくなどの非言語的な反応を引き出し、無理強いはしないことです。

今まで全く話さなかった子供が、一言でも話すと周りが大騒ぎをしてしまうことがありますが、そのことによって、また話さなくなってしまうこともあるそうなので、接し方にも注意が必要ですね。

「なっちゃんの声」という場面緘黙の絵本を用いて、場面緘黙の理解を広げるための活動を行っているところもあります。

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まとめ

場面緘黙という病気は世間にはあまり知られていないかもしれません。

原因についてもはっきりしていないので、その分誤解されやすい疾患でもあります。

息子は自閉症ですが、様々な面でプレッシャーをかけると逆効果です。

こちらがあせってイライラすると余計に不安がり、緊張するので、接する側は決してプレッシャーをかけたり脅してはいけないのだと思います。

発達障害の子ども達の根底にも、心に不安や恐れを抱いていると聞いたことがあるのですが、場面緘黙と共通した部分があるんだなと思います。

せわしない現代社会では、何かができないというのを批判したり、馬鹿にしたり、責めることが多いのですが、相手の立場に立って思いやり、いたわる心も必要です。

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2 Responses to “場面緘黙の原因と治療について”

  1. さとう より:

    初めまして。
    小6女子の娘がいます。

    保育園から
    場面緘黙です。

    最近初めて
    場面緘黙をしりました。

    すごく内容が解りやすく良かったです。
    また拝見させて頂きます。
    ありがとうございました。

    • mina より:

      さとう様
      コメントありがとうございます。

      場面緘黙については専門ではありませんが、少しでもお役に立ったのなら幸いです。
      お子様のことでご心配かと思いますが、よくなるという話も聞いています。
      かんもくの会 http://asmjapan.org/も御覧になってみてください。

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