誤診されやすい!?双極性障害と広汎性発達障害

広汎性発達障害の人は、初診時に双極性障害Ⅱ型のような病態に見えることがあるといいます。

双極性障害の診断を受けた人が、基底に広汎性発達障害を持っている場合も少なくないといいます。

この場合は双極性障害だけの治療では、なかなか改善が見られないことがあり、広汎性発達障害を見据えた治療が必要だといわれています。

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広汎性発達障害に多いといわれる双極性障害とは

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双極性障害には躁状態を伴うⅠ型と、軽躁状態を伴うⅡ型があります。

躁状態、または混合状態が1回認められれば、双極性障害 I 型と呼び、うつ状態と躁状態が、症状のない寛解期をはさみながら繰り返していきます。

躁状態あるいはうつ状態から次のエピソードまでの間隔は平均して数年間であり、うつ状態と躁状態の症状が混ざって出現する混合状態(混合性エピソード)が生じる場合もあります。

これに対して、うつ状態と軽躁状態のみが認められる場合を、双極性障害II 型と呼び、軽躁状態が4日間以上となっています。

II型の軽躁状態はI型の躁状態に比べると、症状が軽く、社会的な問題も少ないので、軽い病気だと思われがちですが、II型はI型に比べてコントロールしにくく、うつ状態を再発しやすいといわれています。

かかりやすさに男女差はなく、中学生から老年期まで、幅広い年齢で発症します。

双極性障害は遺伝に関係するとされており、Ⅰ型とⅡ型は別々の遺伝子に起因するものであると言われています。

双極性障害の症状について

双極性障害の状態は次のとおりです。

●躁状態

DSMによる診断基準は、以下の症状がAを含む4つ以上みられる状態が1週間以上続き、社会活動や人間関係に著しい障害を生じることであるとあります。

A. 気分が異常かつ持続的に高揚し、開放的で、またはいらだたしい、いつもとは異なった期間が少なくとも1週間持続する
  1. 自尊心の肥大: 自分は何でもできるなどと気が大きくなる
  2. 睡眠欲求の減少: 眠らなくてもいつも元気なまま過ごせる
  3. 多弁: 一日中しゃべりまくったり、手当たり次第に色々な人に電話をかけまくる
  4. 観念奔逸: 次から次へ、アイデア(思考)が浮かんでくる。具体的には、文章の途中で、次々と話が飛ぶことなども含まれる
  5. 注意散漫: 気が散って一つのことに集中できず、落ち着きがなくなる
  6. 活動の増加: 仕事などの活動が増加し、よく動く(これは破壊的な逸脱行動にも発展しうる)
  7. 快楽的活動に熱中: クレジットカードやお金を使いまくって旅行や買物をする、逸脱行動に出る

●うつ状態

DSMによるうつ状態の診断基準は、以下の症状が5つ以上みられる状態が2週間以上続き、社会活動や人間関係に著しい障害を生じることであるとあります。

  1. 抑うつ気分
  2. 興味、喜びの著しい減退
  3. 著しい体重減少、あるいは体重増加、または、食欲の減退または増加
  4. 不眠または睡眠過剰
  5. 精神運動性の焦燥または抑止
  6. 疲労感または意欲の減退
  7. 無価値感、または過剰であるか不適切な罪責感
  8. 思考力や集中力の減退、または、決断困難がほとんど毎日認められる
  9. 死についての反復思考、反復的な自殺念慮、または自殺企図するためのはっきりとした計画

双極性障害Ⅱ型は入院するほど重篤ではなく、精神病性の特徴(幻聴・妄想)もほとんど見られないなど、社会生活にそれほど大きな支障がありません。

周りから見ても、軽躁状態の時はいつもより仕事ができる、意欲が高い、熱心に仕事をしているという風に見えるようです。

実際、患者のなかには軽躁状態の時に仕事で成功することが多いといいますが、疲れを知らず、睡眠時間を十分にとらない為、やがて精神的にも肉体的にも疲労し、大きく落ち込むことになります。

うつ状態を迎えたとき、軽躁状態の時の行為を後悔することが多く、それが原因で自殺するケースもある為、Ⅱ型であっても注意しなければなりません。

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診断が難しい双極性障害と広汎性発達障害

双極性障害は躁状態から始まると診断が可能ですが、うつ状態から始まるとうつ病と診断されることがあり、明瞭な躁状態、あるいは軽躁状態が現れるまでは、適切な治療を行えないことがあります。

難治性うつ病として治療を受けていた人が双極性II型であったということは珍しいことではありません。

親族に双極性障害の人がいる場合、発症年齢が若い(25歳未満)、幻聴・妄想などの精神病性の特徴を伴う場合、過眠・過食などの非定型症状を伴う場合などは、双極性障害の可能性が高いといわれます。

広汎性発達障害の人がうつ病や双極性障害と診断されやすい理由はどこにあるのでしょう。

広汎性発達障害の人は、自分の関心興味を上手にコントロールできないことがあります。

例えば自分が気になることがあったら寝食を忘れて没頭してしまう、不安を抱えたり、心配事があると、その感情から抜け出しにくい等、気持ちの切り替えがうまくできないことが多いようです。

また、自分の関心のないことには興味を示さないため、意欲がないように見えたり、先送りにしたり、突然の変更にうまく対応できないとパニックになることがあります。

コミュニケーションを苦手とする広汎性発達障害の人が、社会に適応できずに孤立し、うつ病等の二次障害を起こすことがあります。

とくに、アスペルガー症候群、高機能自閉症、特定不能の広汎性発達障害などの抑うつ症状は、環境や負荷により急速に変化することがあるので、双極性障害と診断されていることもあるそうです。

双極性障害の治療効果が得られない時は広汎性発達障害の疑いも

双極性障害の治療には薬物療法と、心理教育、家族療法、認知療法、対人関係・社会リズム療法が用いられます。

双極性障害は一般的に長期化しやすい傾向にあるといわれるのは、症状が治まっても再発を予防するために薬を飲み続ける必要があるからです。

ここで大切なのは診断の見極めになります。

双極性障害などの精神疾患の治療経過や予後が慢性化しやすく、治りにくい場合には、基底に広汎性発達障害が隠れていることがあるということです。

アスペルガー症候群や特定不能の広汎性発達障害の人は自分が広汎性発達障害であることに気づいていない場合もあります。

彼らが二次障害である精神疾患をおこした場合、精神分析的精神療法をほどこしても、あまり効果が見られないという報告があります。

先天的に持っていた広汎性発達障害という特性の上に、いろいろなストレスからくる精神疾患を重ねてしまうので、広汎性発達障害を見落としてしまうことがあるのです。

この場合の治療は、広汎性発達障害に焦点を当てた療育的な精神療法や、認知の歪みや衝動性を抑える薬物療法が有効だといわれています。

まとめ

アスペルガー症候群や高機能自閉症や特定不能の広汎性発達障害、ADHDの人は双極性障害や他の精神疾患を併発しやすいといわれています。

成長していく過程で不登校や、ひきこもり、社会にでてから二次障害を起こし、その精神疾患の治療をしていく中で、発達障害があることを知るケースもあります。

精神疾患の治療を受けるにあたっては、専門医の初期診断がとても大切になってくるように思います。

軽度の広汎性発達障害を早期に発見し、早期療育につなげていけば、二次障害を防ぐことも可能ですが、医療の現場においても専門医が足りない状況だといいます。

精神疾患は患者から聞く話を元に医師が診断していくわけですが、診察を受ける場合は、今表面化している疾患だけではなく、以前の状態、遺伝的要因、幼少時の状態など、できるだけ詳細を医師に伝えることが必要だと思います。

患者の状態がとても辛そうで、医師に伝えることができないときには、親兄弟やいパートナーの協力が大きな助けになることでしょう。

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