広汎性発達障害は先天性?後天性?

広汎性発達障害は先天性のものか、養育環境によるものかというのは今でもよく言われることです。

広汎性発達障害の子供を育てるということはどういうことか、外から見ただけではわからない部分が多いと思います。

なぜなら1人1人の子供のおかれた環境、障害の程度、現れてくる症状は同じではないからです。

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広汎性発達障害は先天性の脳の機能障害と言われるけれど

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2005年4月1日から発達障害者支援法が施行されるようになりました。

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H16/H16HO167.html

この法律は自閉症、アスペルガー症候群、その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥・多動性障害などの発達障害を持つ者に対する援助等について定めています。

広汎性発達障害に対する理解を得るために、テレビで特集番組が組まれ、当事者が体験談を語り、少しづつ社会に認知されるようになったかもしれません。

メディアでは広汎性発達障害、発達障害は先天性の脳機能の障害だという説明もされています。

「決して親のしつけが悪いわけではありませんよ。」

「本人が怠けているわけではありませんよ。」

そのときはそんなものかと聞いているかもしれませんが、実際にその現場にいる人はそのように思うでしょうか。

重度の自閉症児がパニックを起こしているところを見たことがありますか?

「何、あれ?」「何で親は怒らないの?」と驚かれることでしょう。

先天性の脳機能障害を持つ広汎性発達障害はどのようなものか

広汎性発達障害の子供の行動を見ていると、一人として同じ子供がいないと思うくらい多様です。

言葉の遅れがある重度の自閉症の子供たちは、じっとしていないで動き回ったり、叫んでいたり、耳を押さえていたりすることがありますが、知的に遅れのない子供たちは、本当に『普通の子』です。

広汎性発達障害には自閉症、アスペルガー症候群、高機能自閉症、特定不能の広汎性発達障害等がありますが、IQレベルで言うなら知的障害のある子供から、天才的な頭脳を持つ子供までその中に含まれます。

外見は普通の子と変わりないこの子供たちは、定型発達の子供とは違うものの見方や情報処理の仕方をするといわれています。

広汎性発達障害の人は自分の興味のあることに深い関心を示す傾向があり、コミュニケーションが苦手で、その行動や態度は変った子、不思議ちゃんなどと呼ばれることもあります。

また強いこだわりを持っていたり、五感から受ける刺激に過敏に反応する子もいます。

自分の好きなことや、興味の対象は何時間見ていても飽きないことがあります。

例えばキラキラするものや、くるくる回るものに興味を持つ、物を一列に並べる、DVDの同じ箇所を何度も繰り返し見る子もいます。

そうかと思うと関心のないことには一切興味を示しません。

子供が喜びそうな動物園に連れていっても、動物にまったく関心を示さない子もいます。

小さいころは多動な子が多く、人の多いところでは手を離すと一瞬でその場からいなくなります。

自分が迷子だとは思っていないようで、親とはぐれても泣きもしません。

数字や物の名前を覚えるのが得意な子、小さいころから難しい本を暗記してしまう子もいます。

人が大勢いるところで泣き出してしまう子、臆病な子、人見知りをしない子、初対面の人に失礼なことをいってしまう子、オウム返しをする子、冗談が通じない子がいます。

家では物を置く場所が決まっている子、決まった行動をしないと次のことができない子、思ったとおりにならないと癇癪を起こす子、自傷行為をする子、一時間泣く子もいるといいます。

所かまわず電気を消してしまう子、服を脱いでしまう子、叫ぶ子、はさみで何でも切ってしまう子、電車やバスで決まった席に座りたがる子、睡眠障害のある子もいます。

1つのことはできるのに、1度に2つのことができないとか、決まったものしか食べないとか、広汎性発達障害の子供は、どうしてこんなことで?ということにこだわりを持つ子が多いようです。

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広汎性発達障害が先天性の障害ゆえに虐待に及ぶことも

広汎性発達障害の理解が難しいところは、目に見える障害ではないことです。

親でさえ、ほかの子供と違う、漠然と違和感を感じながらも、自分の子に障害があるとは思わないので、気づくまで時間がかかります。

子供が歩き始め、外に出るようになると、ますます問題行動が目に付き、分別がつくような年齢になっても、聞き分けがない子供を見る周りの目は冷やかです。

親はどんなしつけをしているのか-というあの視線です。

主に母親が養育者になるので、親戚や、時には夫からも責められる人も少なくありません。

広汎性発達障害の子供を持つほとんどの親が、程度の差はあれこのような経験をしています。

自分の経験や感覚では理解できないことを次から次へとやってくれるので、発達障害について知らない人は子供の行動に振り回されてしまうのです。

また、自閉症の子供の多くが睡眠障害をもっているといわれ、てんかん発作を起こす場合もあります。

睡眠障害は夜2時間おきくらいに子供が起きてしまい、ずっと朝まで遊んでいる時もあり、昼と夜が逆転します。

てんかんを持っている子供には、薬を飲ませますが、いつ起こすかわからないという緊張の中に置かれるので、これも気が休まりません。

次に何をするかわからない子供と24時間一緒にいるということが、どれだけ大変なことか想像がつくでしょうか。

母親は献身的に子供を育てていきますが、常にストレスに晒されていると、イライラするし、カッとなって子供をたたいてしまったり、虐待にまで及ぶこともあります。

母親の精神状態は直接子供に伝わるので、このまま子育てをしたら子供はどうなるでしょうか?

養育者の精神的な不安は先天性の広汎性発達障害をさらに悪化させることになります。

先天性の広汎性発達障害は早期発見が大切な鍵

子供の養育環境はとても大きいと思います。

母親が子供を理解しようと努め、何でも受け止めてくれるような家庭環境なら、子供は本来もっている長所を生かしてのびのび育っていくことができます。

しかし、人に迷惑をかけてはいけないという教育を受けてきた親、社会は、周りに合わせられない問題行動、わがままな態度をやめさせることに必死になり、子供の長所を生かすどころか、だめな子、できない子というレッテルを貼ってしまうのです。

現在は、発達障害の早期発見・早期支援に向けた取組みのひとつとして、1歳6ヶ月及び3歳児健診が義務付けられています。

早い時期に療育を受けたほうが、社会的な適応がよいという結果がでているそうです。

広汎性発達障害をサポートするには、子供の療育と育児に疲れきっている親への支援が必要です。

まとめ

アメリカでは30年くらい前から発達障害や広汎性発達障害の研究が行われていて、特別な才能を持った子供たちという認識がもたれています。

学校を辞めさせられるような問題児が、よき理解者、よき指導者に出会い、ある分野で成功している話はよく聞かれると思います。

日本での理解度はまだまだ外国に比べると遅れていて、今でも発達障害に対する否定的な認識、誤解されている部分があります。

広汎性発達障害は先天性の脳機能の障害であり、親の養育態度のせいではないということ、適切な支援を受ければ社会に貢献できる人材になること、そういう肯定的な認識が広まってくれば、障害はハンディキャップではなくなります。

一日も早くそのような社会になるように願うものです。

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