広汎性発達障害に有効なソーシャルスキルトレーニングとは

ソーシャルスキルとは基本的な社会的能力、世の中のルールを守ることをいいます。

わたしたちは普通に生活しながら、周りの人の気持ちや感情などを理解するようになり、自分の行動や感情をコントロールする力を身に着けていきますが、広汎性発達障害やADHDの人たちは、それが苦手です。

それらを助けるためにソーシャルスキルトレーニングが用いられます。

スポンサードリンク



広汎性発達障害の人はソーシャルスキルが苦手

images (1)

広汎性発達障害の人たちは、周りの人の気持ちや状況を把握することが苦手ですね。

自分の思ったことをストレートに口に出してしまうので、相手を傷つけてしまうこともあります。

相手に指示されたことを、正確に聞き取れないことがあります。

状況に合わせた臨機応変な対応を取ることができません。

複数の人が共同でやっていることの理解がむずかしく、次に何をすればいいのかわからないときがあります。

日常のマナー、挨拶なども大切だということがよくわかりません。

自分の行いが人をどんな気分にさせるかということもなかなか理解できません。

相手の話を最後まで聞かずに、自分が話したいことを一方的に話してしまうこともあります。

予定がよくわからないと不安になりやすく、以前の経験に頼ろうとするために、こだわりが強くなることもあります。

このような行動は周りから悪い印象をもたれやすく、からかいやいじめの対象になることもあります。

彼らには『こういう場合はこうした方がいいよ』ということを、ひとつひとつ教えていくことが必要なのです。

定型発達の子どもの場合は周りを見て理解し、経験から対応できるようになっていくと思うのですが、広汎性発達障害の人には難しいことなのです。

自然に身についていくものではないので、練習しながら、時には失敗しながら身につけていかなければなりません。

広汎性発達障害の人がソーシャルスキルを身に着けるためには

学校や療育の場でソーシャルスキルトレーニングをしてくれるところがあります。

ソーシャルスキルトレーニング用のカードを使って、絵を見て状況を尋ね、こんなときにどうする?とか、この子はどういう気持ちになるだろうか?などの答えを導いていきます。

日常でよくあるトラブルが起こりそうな状況を書いたカードで、裏には状況の説明やどう対応したらよいのかが書かれてあります。

ソーシャルスキルトレーニング絵カ 幼年版

ソーシャルスキルトレーニング絵カ 幼年版
価格:4,104円(税込、送料別)

このソーシャルスキルトレーニングカードは小学生向け、中高生用もあり、様々なパターンがあります。

ソーシャルスキルトレーニングは、以下のような方法を用いるのが一般的です。

①教示:そのスキルがなぜ必要か、そのスキルが身についているとどのような効果があるかを言葉や絵カードなどを用いて説明して教える。
②モデリング:指導者が実際に見せて学ばせる。または不適切な振舞いを見せて どこに間違いがあるかを考えさせる。
③リハーサル:実際に練習してみる。主にロールプレイングの手法が用いられる。
④フィードバック:行動や反応を振返り、それが適切であれば褒め、不適切であれば修正の指示を行う。
⑤定着化:練習したスキルを指導場面以外でも発揮できようにする。

モデリングで実際に見せて、リハーサルで実際にやってみることが大切だといわれています。

練習させて身につかないと、いくら注意しても聞いてくれないということになってしまいます。

何度も繰り返し行うことが重要なのですね。

似たようなもので、『コミック会話』というのもあります。

広汎性発達障害の人のコミュニケーン能力を支援するツールですが、会話を視覚化することで会話の理解や、系統立てた話し方を助けることができるというものです。

広汎性発達障害の人は細部に注目しすぎて会話全体の流れを見失ってしまうことがあります。

あちこちに話題が移ってしまったり、意識が集中できずに言語のみの会話に強いストレスを感じることが多いようです。

コミック会話の手法を用いると、話したことや感じたことを視覚的に残し、話の流れを踏まえながら会話を続けていくことができるので、コミュニケーションが取りやすくなります。

コミック会話では、線画の人物、言ったことの吹き出し、思ったことの吹き出しの3つを書きます。

絵を簡単にするのは会話をテンポのよいやりとりにするためと、広汎性発達障害の人が細部にこだわりすぎないようにするためです。

スポンサードリンク



ソーシャルスキルトレーニングが必要なのは広汎性発達障害の人だけではない

ソーシャルスキルトレーニングは本来コミュニケーションに課題を抱える子ども達に行われるものでしたが、現代社会においてはすべての子ども達に必要だといわれています。

その理由は、近年少子化が進み、家族の構成員が減ったことにあります。

昔は家庭の中で自然と人との関わりを学んでいったのですが、最近は家族が一緒に食事をすることも少なくなり、家族の会話も減っています。

子育て経験の少ない親との限定された関係による、過干渉や子育ての不安の増加といった現象も目立ってきているといいます。

隣近所の人と挨拶することも少なくなり、人間関係は希薄になってきています。

学校では、いじめ、不登校、校内暴力、授業崩壊などが日常的に起きています。

子どもを取り巻く生育環境においても、親子の関係が崩れ、無視、あるいは虐待に関係するニュースも後を絶ちません。

子供は子供でゲームやスマホが手放せなくなり、まず自分のことが優先される世界観の中で生きています。

そういう環境で育った子どもが親となり、その親が子育てをするのですから、その連鎖の輪はどうなっていくのでしょう。

今日、そうした変化のなかで多くの子どもたちがソーシャルスキルトレーニングを必要とし、学校の道徳の授業でも取り入れられています。

発達障害の人だけでなく、現代人すべての人に必要なスキルといえるでしょう。

知的障害のある広汎性発達障害の人たちのためのソーシャルスキル

上記のソーシャルスキルトレーニングは、軽度の発達障害の人たちに有効とされるトレーニングになります。

知的な遅れと認知面の制限があり、指示や説明が理解できなかったり、自分の身辺自立が十分にできない子ども達には難しいかもしれません。

大切なのは今の子供に何が必要なのかをみきわめて、時にかなった支援をしてあげることです。

また、レベルを上げても子供にも親にも負担になってしまいます。

重度の知的障害がある場合にも絵カードの働きかけはとても大切です。

イラストレーターのnaoさんという方が、発達障害児のための絵カードを提供してくださっています。

http://naosan.noob.jp/

発達障害のお子様向けに絵カードや学習プリント、ソーシャルスキルイラスト、発達障害児の絵本など作成しておられるというので、是非ブログも覗いてみて下さい。

ひとつひとつのイラストがとても丁寧に描かれており、定型発達のお子様にも役に立つと思いますよ。

息子は知的障害のある自閉症なので、高度なソーシャルスキルはもともと望んではいないけれど、基本的なルールや、身辺自立も1人ではできません。

誰かが横で指示をしてあげないとできないのです。

例えば、朝はスクールバスの来る時間にあわせて家を出ないといけないので、その時間にあわせて準備をしないといけないですが、放っておくといつまでたっても身支度をしません。

こっちは焦って、つい『早くして!』と声を大きくしてしまいますが、何故急がないといけないのか、何故母が口うるさいのかよくわかっていません。

さっそく絵カードを使って、次になにをすればいいのか見える形にしてあげようと思います。

まとめ

アスペルガー症候群や、特定不能の広汎性発達障害、ADHDなどの発達障害の人は、よく空気が読めない人と言われたり、誤解されることが多いのです。

何でも思ったことを言ってしまうというのも、子どものころなら許されるかもしれませんが、大人になるとそうもいきません。

世間のルール、暗黙の了解を守ることが、広汎性発達障害の人たちにとっては難しいことなのです。

何度も失敗しながら、経験を積みながら体験していくことだと思いますが、少しづつソーシャルスキルを高めていきましょう。

スポンサードリンク



コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ